Surly アイスクリームトラック。走る喜びを形にした、究極のファットバイク

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。
僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回も、Surlyの車種を一つずつ深く掘り下げるシリーズにお付き合いください。残すところあと少しとなってきましたが、今回は僕がファットバイクを語る上で欠かせない一台、Surly アイスクリームトラックをご紹介します。
多くの人がファットバイクに抱く「ただの重い自転車」というイメージを、このバイクは完全に覆します。その開発には、Surlyというブランドが持つ哲学と、開発者たちの深い愛情が込められています。今回は、他のどの記事よりも深く、このバイクの魅力を解き明かしていきましょう。
フレームに込められた、開発者の情熱と背景
アイスクリームトラックは、Surlyのファットバイクラインナップの中でも特別な存在です。その開発には、「最もシンプルで、最も信頼できるファットバイク」を求める、Surlyらしい哲学が反映されています。
ファットバイク黎明期、多くのメーカーが試行錯誤を重ねる中、Surlyはシンプルさと汎用性にこだわりました。極太のタイヤを履きこなし、雪道や砂漠といった過酷な環境を走破するだけでなく、日々の街乗りから本格的なツーリングまで、一台で全てをこなせるバイクを目指しました。
「アイスクリームトラック」という名前は、どんな天候や状況でも、美味しいアイスクリームを届けるトラックのように、乗り手に「喜び」を届けるというコンセプトから名付けられました。それは、このバイクが単なる道具ではなく、ライドする喜びそのものを形にした存在であることを物語っています。
ジオメトリが語る、素直なハンドリングと高い走破性
アイスクリームトラックのジオメトリは、そのコンセプトを具現化するために緻密に計算されています。ここでは、公式サイトから抜粋したジオメトリ表を紐解き、その特徴を解説します。
Size | Seattube Length (C-T) | Toptube Length (Effective) | Headtube Angle | Seattube Angle | Chainstay Length | Wheelbase |
S | 400mm | 585mm | 68.5° | 73.0° | 440mm | 1120.9mm |
M | 450mm | 602mm | 68.5° | 73.0° | 440mm | 1140.2mm |
L | 500mm | 620mm | 68.5° | 73.0° | 440mm | 1159.5mm |
XL | 550mm | 640mm | 68.5° | 73.0° | 440mm | 1180.9mm |
Google スプレッドシートにエクスポート
※Surly公式サイトより抜粋
特徴的なジオメトリとライドへの影響
- チェーンステー長(440mm): 全サイズ共通で、ファットバイクとしては比較的短めに設定されています。これにより、太いタイヤの安定性を保ちつつも、ペダリングの反応性を高め、取り回しの良い軽快なハンドリングを実現しています。
- ヘッドチューブアングル(68.5°): 緩やかな角度にすることで、極太タイヤの安定性を最大限に引き出しています。これにより、雪道や砂地といった路面でも、ハンドルを取られにくく、安心してライドを楽しめます。
これらのジオメトリは、ファットバイクにありがちな鈍重なイメージを払拭し、街中からオフロードまで、どんな道でも素直に、そして軽快に走れるように設計されているんです。
スペックとビルドの可能性
アイスクリームトラックは、そのフレームのコンセプトを最大限に活かすための厳選されたスペックを持っています。
- ホイールサイズ(26インチ): 太いタイヤとの組み合わせで、高いグリップ力と走破性を実現します。
- タイヤクリアランス(26×4.8インチ): Surlyの標準的なファットタイヤである「Bud & Lou」を履くことができ、雪道や砂地など、どんな路面でも圧倒的な浮力とグリップ力を発揮します。
- 素材(Surly 4130 CroMoly Steel): Surlyの代名詞とも言えるクロモリ素材は、優れた強度と耐久性、そして振動吸収性を提供します。
ヒロヤス的、おすすめビルド
僕がもしアイスクリームトラックを組むなら、このフレームの持つ「万能性」を最大限に引き出すビルドを目指します。
- コンポーネント: SRAM GX Eagle 1×12。ファットバイクの重量を考慮すると、ワイドなギアレンジを持つこのコンポーネントは、登り坂でも平坦でも快適なペダリングをサポートしてくれます。
- ホイール&タイヤ: 純正のまま、26×4.8インチの「Bud & Lou」をチョイス。まずはこの究極の走破性を体験してほしいです。
- ハンドルバー: Surlyの「Moloko Bar」。多用途に使えるこのハンドルバーは、長距離のツーリングから街乗りまで、様々なシチュエーションで快適なポジションを提供してくれます。
このビルドなら、街中のカフェから、未舗装のトレイルまで、一台でどんな場所へも連れて行ってくれる最高の相棒になるはずです。
まとめ
Surly アイスクリームトラックは、単なるファットバイクではありません。それは、自転車が持つ「走る喜び」を純粋に形にしたものです。
過酷な環境を走破する性能を持ちながらも、日々の生活に寄り添う懐の深さ。その全ては、開発者たちの「どんな場所でも、どんな人にも、ライドする喜びを届けたい」という情熱から生まれています。
あなたのバイク選びの選択肢に、この「走るアイスクリーム屋さん」を加えてみてはいかがでしょうか?きっと、あなたの自転車ライフが、もっと豊かで、思い出深いものになるはずです。
この記事を読んで、Surlyのファットバイクに興味を持った方は、ぜひコメントで教えてくださいね。
それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!
