台湾発「KiLEY(キーレイ)」の深層:元インテリアデザイナーが「クロモリの相棒」に込めた美の哲学

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。

僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、僕たちクロモリバイク乗りにとって、機能性はもちろん、そのデザインの美しさやディテールへのこだわりが、フレームの質と同じくらい重要だと感じている人にこそ深く知っていただきたい、あるパーツブランドについてのお伝えしたいと思います。

今回、僕が掘り下げたいのは、クラシックな見た目と現代の高性能を両立させたことで知られる台湾発のブランド、**「KiLEY(キーレイ)」**です。このブランドのライトやベルを、街で走るヴィンテージバイクやクロモリフレームに見かける機会が増えてきましたよね。しかし、その人気の裏には、単なるレトロブームでは片付けられない、創業者自身の揺るぎないデザイン哲学と、日本との深いつながりが隠されているんです。

一つの製品が生まれる背景にあるストーリーを知ると、そのモノに対する愛着は格段に深まります。デザイナーとして、モノの成り立ちや、込められた思想を細部まで探求するのは、僕にとって最高の喜び。今回は、キーレイの魅力と、そのものづくりの姿勢を、他のどの情報よりも詳しく紐解いていきたいと思います。


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台湾・台中から生まれた「綺麗」を追求するブランド

キーレイというブランド名を聞いて、多くの日本人がどこか親しみを感じるのではないでしょうか。それもそのはず、ブランド名の**「KiLEY」は、日本語の「綺麗(きれい)」に由来**しています。

キーレイは、2013年に台湾の台中で誕生しました。創業者はLouis(ルイ)氏。彼は、自転車パーツメーカーを立ち上げる以前、インテリアデザイナーとして活躍していました。この「元インテリアデザイナー」という経歴こそが、キーレイのプロダクトが持つ独特の美意識の源泉となっています。

そして、ブランド名の由来には、興味深いバックストーリーがあります。Louis氏の祖母は、日本統治時代の台湾に生まれ育ち、Louis氏に日本の良い話をよく聞かせていたそうです。そんな背景から、Louis氏は日本語の「綺麗」という響きに特別な思い入れを持ちました。彼は、製品に込める**「良美(より良い美しさ)」**という意味を掛け合わせ、その音をブランド名「KiLEY」として採用したのです。

単に海外で「日本語っぽい名前」をつけたわけではなく、創業者自身のルーツと、製品を通して追求したい「美」の概念が深く結びついている。この誠実な姿勢が、僕たちモノづくりを愛する人間の心を打つのだと感じています。

機能性と美の融合:デザイナー・Louis氏が描くプロダクトの思想

キーレイの製品が一貫して目指しているのは、「レトロ、クラシック」なデザインでありながら、「高性能」という現代的な要求を満たすことです。

Louis氏がインテリアデザイナーであったことから、彼が製品を見る視点は、単なる機械部品としてではなく、**「空間や自転車というライフスタイルに調和するオブジェ」**という視点です。

例えば、キーレイが手掛けるライトは、一見すると昔ながらの砲弾型やビンテージな意匠が目を引きます。これは、自転車の歴史がヨーロッパから始まったことへの敬意と、クロモリフレームなどのクラシックな車体との調和を追求した結果です。しかし、中身はLEDを採用し、ほとんどのモデルでUSB充電式の利便性を確保しています。

自転車の歴史や文化を深く理解し、その上で現代のテクノロジーを違和感なく融合させる。この**「古き良きものへの理解」と「現代の機能性へのこだわり」**のバランスこそが、キーレイの最大の魅力であり、熱心なファンを生み出す理由です。

自転車のパーツは、往々にして機能性を優先しすぎて無骨になりがちです。しかし、Louis氏は、デザイナーとしての経験から、機能性とデザインは二律背反ではなく、互いを高め合うものだと知っています。この哲学が、彼らが自転車パーツを作り始めたバックグラウンドであり、僕たちがキーレイの製品を愛着を持って迎え入れる理由なのだと思います。

実際に手に取りたい!KiLEY(キーレイ)を代表するプロダクト

クラシックな見た目と高い機能性を両立させたキーレイには、多くの代表的な製品があります。ここでは、特に僕の心を捉えたジャンルごとに、その魅力をお伝えしたいと思います。

砲弾型ライト

キーレイの代名詞とも言えるのが、この砲弾型ライトです。

V3 ビンテージライト

キーレイを語る上で外せないフラッグシップモデルです。アルミの質感がクラシックな雰囲気を醸し出しつつも、USB充電式かつ高性能LEDを搭載しています。その名の通り、クロモリバイクに装着した時の**「ビンテージな相棒」**感がたまりません。リア用もラインナップされており、前後で統一感のあるデザインを追求できます。

LM-018 バレットライト

よりコンパクトなサイズの砲弾型ライトです。シンプルな形状でありながら、真鍮製やメッキ加工の質感が美しく、特に細身のクロモリフレームとの相性が抜群です。小型化されても、しっかりと明るさを確保している点に、機能性へのこだわりを感じます。

デザインと音色を追求したベル

ライトだけでなく、ベルにもキーレイの哲学が凝縮されています。音色と造形美にこだわった2つのベルは、彼らのデザインへの強い信念を示しています。

Showa Bell(ショーワベル)LM-025

その名の通り、日本の**「昭和」時代の実用車のベル**をモチーフにした、どこか懐かしいレトロな趣を持つ製品です。開発当初はヨーロッパのクラシカルなアクセサリーを参考にしていたそうですが、図らずも昭和のデザインに通じるところを発見し、この名が付けられました。ただレトロなだけでなく、表面にはアラベスク(唐草)模様とクラウン(王冠)の意匠が施され、エレガントなテイストに昇華されているのが、デザイナーブランドらしいこだわりです。

Kicca Bell(キッカベル)LM-027

こちらは、菊の花をモチーフにした優雅で華やかなデザインが特徴です。菊の花言葉である「高貴」「高尚」「高潔」を表現するかのような造形美は、フレームに一輪の花が咲いたような印象を与えます。素材には、美しく整った響きを持つ真鍮が採用されており、音色まで楽器のようにこだわっている点に、キーレイの哲学を感じます。

まとめ

キーレイは、単に「レトロ調のパーツを作っているブランド」という一言では語り尽くせない、深い魅力を持っています。

元インテリアデザイナーであるLouis氏が、自身のルーツである**日本語の「綺麗」**をブランド名に掲げ、クラシックな自転車文化への敬意と、現代の使いやすさを両立させるという、極めて難易度の高いモノづくりに挑み続けている。その哲学が、一つ一つの製品の質感やディテールに宿っています。

僕たちクロモリバイクを好む人間は、機能性はもちろんのこと、自転車が持つ**「物語」や「佇まい」**を大事にします。キーレイの製品は、まさにその要求に応える、最高のアクセサリーです。

単なる道具としてではなく、デザイナーの美意識と哲学が詰まったオブジェとして、キーレイの製品をあなたの愛車に迎え入れてみてはいかがでしょうか。きっと、あなたの愛車が持つストーリーをさらに豊かにしてくれるはずです。

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

あなたの愛車にキーレイのパーツは付いていますか?また、どの製品のデザイン哲学に一番共感しましたか?ぜひコメントで教えてくださいね!

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中の人はCrust evasion乗り。最近古いMuddyFOXも仲間入りしました。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログにして行ってます。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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