なぜ僕らはクロモリ自転車を選ぶのか?おっさんの心を鷲掴みにする、その深すぎる魅力とは

どうも、ヒロヤスです!大阪でデザイナーをしながら、毎日自転車通勤を楽しんでる37歳です。生粋のクロモリフレーム好きで、職場までの10kmの道のりも毎日クロモリ。街中で見かける自転車のパーツとかフレームとか、ついついチェックしちゃうのが僕の悪い癖(笑)。
これまで、SurlyのCross-CheckやStraggler、そしてCrust BikesのRomanceurといった、僕が愛してやまないクロモリバイクについて熱く語ってきました。でも、そもそも、なぜ僕たちはこんなにもクロモリの自転車に惹かれるんでしょうか?
アルミやカーボンといった、軽くて高性能な素材が主流の現代において、なぜ僕のような「おっさん」たちは、わざわざ重くて古いイメージのあるクロモリを選ぶのか。今日は、その理由を僕なりの視点で、深く掘り下げていきたいと思います!
クロモリってなんだ?まずは基本をおさらい
クロモリとは、クロムモリブデン鋼の略称で、スチールの一種です。簡単に言うと、鉄にクロムやモリブデンといった金属を混ぜて強度を高めた合金です。これが自転車のフレーム素材として使われるようになったのは、もう何十年も前のこと。
現在、自転車のフレーム素材の主流は、アルミやカーボンです。アルミは軽くて安価、カーボンは軽くて高剛性という、それぞれの強みがあります。一方で、クロモリはアルミやカーボンに比べて重いし、錆びる可能性もあります。
でもね、そんなデメリットを補って余りあるほどの魅力が、クロモリには詰まってるんです。そしてその魅力こそが、僕たちおっさんの心に深く刺さる理由なんだと僕は思うんです。
理由その1:唯一無二の「しなやかな乗り心地」
これがクロモリを選ぶ最大の理由かもしれません。クロモリフレームは、まるで生き物のように**「しなる」**んです。ペダリングの力を受け止めて、それを推進力に変える時にグイッとたわみ、路面からの衝撃を吸収する時にしなやかに曲がる。
この「しなり」が、独特の**「しなやかで優しい乗り心地」**を生み出します。路面からの細かな振動をフレーム全体で吸収してくれるので、長時間乗っていても体が疲れにくい。硬いアルミやカーボンのフレームで、路面の段差を拾った時に「ガツン!」とくる衝撃とは全く違います。クロモリは、まるで路面に吸い付くかのように、ねっとりとした感覚で走ってくれるんです。
僕もね、以前はアルミフレームの自転車にも乗ってたんですけど、正直、お尻とか手首とか、結構疲れたんですよ。でも、クロモリに乗り換えてから、その疲労感が格段に減ったのを実感してます。特に10kmの通勤を毎日してる僕にとっては、この快適さは本当に重要なんです。
理由その2:細くて美しい「パイプ」が織りなす造形美
デザイナーという仕事柄、僕は自転車の「見た目」にも強く惹かれます。クロモリフレームは、アルミやカーボンフレームに比べてパイプが細いのが特徴です。この細いパイプが、自転車全体をクラシックでエレガントな雰囲気に仕上げてくれるんです。
特に、ラグ(パイプの接合部)を使ったフレームなんて、もう芸術品ですよ。溶接痕を丁寧に研磨して仕上げられたスムースな接合部も美しいですが、ラグで組み上げられたフレームには、職人さんの手仕事を感じる温かみがあります。細いパイプと相まって、そのたたずまいはまるで、昔のロードレーサーのよう。
流行に左右されない、普遍的な美しさ。これが、クロモリフレームの持つ最大の魅力だと僕は思います。派手さはないけれど、じっくり見れば見るほどその魅力に引き込まれていく。まるで、味のあるヴィンテージ家具を見ているような感覚ですね。
理由その3:一生モノの「道具」としての信頼感
僕たちが子供の頃に乗っていた自転車は、ほとんどがスチールフレームでした。その頃の自転車って、多少ぶつけたり倒したりしても、なかなか壊れなかったですよね。クロモリフレームは、そんな昔の自転車が持っていた**「頑丈さ」**を現代に受け継いでいます。
アルミやカーボンは、一度強い衝撃が加わると、目に見えないところでフレームにダメージが入ることがあります。しかし、クロモリは金属なので、そう簡単には折れたり割れたりしません。たとえ大きな力が加わって少し曲がってしまっても、応急処置ができる可能性もありますし、専門の工房で修理することも可能です。
つまり、クロモリは**「長く付き合える一生モノの道具」**なんです。通勤で毎日使う自転車は、僕にとってはただの移動手段ではなく、日々の暮らしを共にする大切な相棒です。だからこそ、ちょっとやそっとじゃ壊れない、頑丈なクロモリを選ぶんです。そして、その頑丈さの中にある「安心感」が、僕たちおっさんの心を落ち着かせてくれるんだと思います。
理由その4:究極の「カスタマイズ」の自由度
これはもう、クロモリ好きにはたまらないポイントでしょう。クロモリフレームは、アルミやカーボンフレームに比べて、パーツの互換性が非常に高いんです。昔ながらの規格が今も使われていたり、様々な種類のパーツを組み合わせやすいように設計されていたりします。
例えば、
- ドロップハンドルでも、フラットバーでも、ブルホーンバーでも自由自在。
- 多段ギアでも、シングルスピードでも組める。
- カンチブレーキでも、Vブレーキでも、ディスクブレーキでも対応できるフレームもある。
- キャリアや泥除けを取り付けるためのダボ穴が豊富。
などなど、クロモリフレームは、まるで白紙のキャンバスのように、乗り手のアイデアを形にする自由度を僕たちに与えてくれます。
僕もね、自転車のパーツを眺めてるだけで一日過ごせちゃうタイプなんです。このハンドルを付けたらどんな乗り味になるかな?この色に塗装したらどうなるかな?なんて、あれこれ妄想を巡らせるのが本当に楽しい。クロモリは、その僕の**「いじりたい欲」**を最大限に満たしてくれる最高の素材なんです。
理由その5:流行に左右されない「普遍性」と「愛着」
アルミやカーボンフレームは、毎年新しいモデルが登場し、どんどん進化していきます。しかし、クロモリフレームは、基本的な構造は昔からほとんど変わっていません。それが、ある意味**「普遍性」**を生み出しています。
今から何十年か前に作られたクロモリフレームでも、今時のパーツを組み合わせれば、全く古さを感じさせない自転車に仕上げることも可能です。流行に左右されることなく、ずっと愛用できる。それがクロモリの魅力です。
そして、長く乗れば乗るほど、フレームについた傷や、使い込まれたパーツの一つ一つに**「愛着」**が湧いてきます。自転車と共に過ごした時間や、色々な場所に旅した思い出が、その自転車に深く刻み込まれていくんです。
僕の自転車も、もうかれこれ何年か乗ってますけど、フレームの傷を見ると「あ、あの時に倒しちゃったやつだ」とか、「あのキャンプツーリングの時にできた傷かな」なんて、色々な思い出が蘇ってくるんですよね。そういう、**「自分だけの物語」**を紡いでくれるのが、クロモリの自転車なんだと思います。
なぜ「おっさん」はクロモリを選ぶのか?まとめ
ここまで色々な理由を語ってきましたが、結局のところ、僕たち「おっさん」がクロモリを選ぶ理由は、**「自転車を単なる乗り物としてではなく、人生を共に歩む相棒として見ているから」**なんじゃないかと僕は思うんです。
- 最新のテクノロジーや軽さよりも、快適な乗り心地を求めるようになった。
- 派手さよりも、普遍的な美しさに惹かれるようになった。
- スピードよりも、長く愛せる道具としての信頼感を重視するようになった。
- 完成された形よりも、自分だけのアイデアを形にする自由を求めるようになった。
- そして何よりも、自転車に刻まれた思い出という物語を大切にしたいと思うようになった。
クロモリの自転車は、そんな僕たちの価値観に、ぴったりと寄り添ってくれる存在なんです。僕が街中でクロモリの自転車を見ると、つい立ち止まって見入ってしまうのも、きっと「この人も、僕と同じクロモリの良さを分かってるんだな」という、勝手な仲間意識が芽生えるからでしょう(笑)。
僕の自転車ライフも、これからもクロモリと共に続いていきます。通勤で毎日、大阪の街を颯爽と駆け抜け、週末にはカメラ片手にちょっと遠くまでサイクリングに出かける。そんな日常の中で、僕のクロモリ自転車は、これからも僕の最高の相棒であり続けてくれるはずです。
自転車って、本当にいいものですね。
それではまた、次の記事でお会いしましょう!ヒロヤスでした!