自転車うんちく系

スピードからの解放。クロモリが教えてくれた、新しい自転車の楽しみ方

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォーデザイナーの僕です。

かつて、僕もロードバイクに乗っていました。カーボンフレームに軽量なパーツを組み込み、少しでも速く、少しでも遠くへ。平日は仕事に追われながらも、週末になればピチピチのジャージに身を包み、風を切って走ることに夢中になっていました。

でも、ある時ふと気づいたんです。速く走ることばかりに気を取られ、周りの景色をほとんど見ていないことに。信号待ちで隣に並んだママチャリのおじいさんの笑顔も、道端に咲く季節の花も、走り去る風の中に消えていくだけ。いつしか自転車は、ただタイムを競うための道具になっていました。

そんな僕が、今、心から愛しているのがクロモリフレームの自転車です。そして、このクロモリの相棒が教えてくれたのは、**「スピードからの解放」**という、新しい自転車の楽しみ方でした。

最高の「ツール・ド・人生」は、街の中にあった

ロードバイクに乗っていた頃、僕が目指すのはいつも遠くの峠や、海沿いの絶景ルートでした。それはそれで素晴らしい体験でしたが、日々の生活の中での発見は少なかったように思います。

しかし、クロモリに乗り始めてから、僕の自転車ライフは大きく変わりました。無理にスピードを出さなくても心地よく走れるクロモリの乗り味は、僕を自然とゆったりとしたペースへと導いてくれました。

ゆっくりとペダルを漕いでみると、これまで見過ごしていたたくさんの発見が、僕の周りに溢れていることに気づきます。

  • 新しいお店の発見: いつもは通り過ぎていた裏路地に、こだわりのコーヒー豆を売っている小さなロースターを見つけたり、個性的な古着屋さんがあったり。
  • 風景の変化: 季節ごとに表情を変える街路樹や、時間帯によって違う顔を見せる川沿いの風景。
  • 人との出会い: 銭湯の前に置かれた古い自転車を眺めていたら、通りかかったおばあちゃんと話が弾んだり。

僕の自転車の旅(ツール・ド・ヒロヤス)は、今、遠くの絶景ではなく、身近な街の中へとシフトしました。そして、それが僕にとっての最高の冒険になっています。

休日の過ごし方に幅をもたせよう

ロードバイクに乗っていた頃の休日は、午前中のライドで一日がほぼ決まっていました。疲労回復のため午後は家でゆっくり過ごしたり、次のライドに備えて準備をしたり。それはそれで充実していましたが、少しだけ選択肢が狭かったように感じます。

しかし、スローな自転車ライフを始めてから、休日の過ごし方にぐっと幅が広がりました。

  • 自転車に乗る日と乗らない日を自由に選べる: クロモリは、気軽にさっと乗れるので、「今日は自転車でちょっとそこまで」という軽い気持ちで乗り出せます。重い気持ちで「今日も走らなきゃ」と義務感に駆られることもありません。
  • 他の趣味と組み合わせる: 午前中にゆっくりとポタリングをして、午後は見つけたお店でコーヒーを飲みながら読書をしたり、気になっていた映画を見に行ったり。自転車は目的ではなく、他の趣味を楽しむための「手段」の一つになりました。
  • 家族や友人と過ごす時間が増える: 決して速く走らなくても、一緒に景色を楽しめるペースで走れるので、妻と近所のカフェまでサイクリングしたり、友人と公園でのんびり過ごしたりする時間が増えました。自転車を通じて、大切な人たちとのコミュニケーションが深まったように感じています。

自転車は、僕の休日を豊かにするための最高のパートナーになってくれました。

ピチピチのジャージは必要ない

ロードバイクに乗っていた頃は、「速く走るためのユニフォーム」であるレーサージャージが必須だと思っていました。でも、スローな自転車ライフを楽しむのに、ピチピチのジャージは必要ありません。

僕は普段着のまま、ゆったりとした服装で自転車に乗ることが多くなりました。デニムにTシャツ、少し肌寒い日はジャケットを羽織って。これで、カフェに立ち寄ったり、ふらっとお店に入ったりしても、全く気後れすることなく過ごせます。

機能性を追求したウェアも素晴らしいですが、服の選択肢が広がることで、自転車に乗ること自体がもっと気軽で、もっと自由なものになりました。自転車は、もっとカジュアルに楽しんでいいんだ、とクロモリが教えてくれました。

もちろん、時速30km巡航だって可能

誤解しないでほしいのは、クロモリフレームだからといって、決して早く走れないわけではないということです。素材が持つ適度なしなりは、ペダリングのパワーをしっかりと受け止め、推進力に変えてくれます。実際、僕のクロモリバイクでも、本気を出せば時速30kmでの巡航も十分に可能です。

クロモリの良さは、速く走ることを強要しないこと。自分のペースで、景色を楽しみながら、心地よいスピードで走ることができる。でも、もし本気で走りたいと思ったときには、しっかりと応えてくれるポテンシャルも秘めている。その懐の深さが、クロモリのまた良いところなんです。速く走ることに疲れたけれど、時には気持ちよく汗を流したい、そんなワガママな願いも、クロモリなら叶えてくれます。

クロモリフレームが持つ「見えない優しさ」

以前の記事でも触れましたが、クロモリフレームの最大の魅力は、その「しなやかさ」にあります。カーボンやアルミのような絶対的な軽さや剛性はないけれど、その乗り心地は、決して数字には表れない、心と体を満たしてくれるものなのです。

  • 路面からの振動吸収: 街中の少し荒れた路面や、段差を乗り越える際も、クロモリの持つ「しなり」が振動を吸収してくれるので、手や腰への負担が少ない。
  • 疲労感の軽減: スムーズな乗り味は、長距離を走った後の疲労感を驚くほど少なくしてくれます。早く走ることをやめた僕にとって、この「見えない優しさ」は、最高の快適性です。

早く走ることに疲れてしまったロードバイク乗りの皆さん、もしよければ、クロモリフレームの自転車に一度乗ってみてはいかがでしょうか。それは、決して速く走るための選択肢ではありません。しかし、自転車に乗ることを、もっと自由に、もっと楽しくしてくれる、新しい選択肢になるはずです。

僕もまた、このクロモリの相棒と共に、これからも日々の冒険を楽しんでいきたいと思います。

それでは、また次の記事でお会いしましょう!ヒロヤスでした!

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Hrys Basics(ひろやす)
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Designer & Cr-Mo Freeks
中の人はCrust evasion乗り。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れる30第半ばのクリエイター。 海外の自転車ニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログを解説しました。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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