フレーム紹介

MASI Catalina Apexを徹底解剖。鮮やかなカラーが特徴、比較的手頃な価格、性能十分のグラベルバイク!

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。

僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は数年前から自転車ショップで見かけるたびに「お、このフレーム、ええなあ…」と気になっていた一台がありました。クロモリ好きの僕の心をくすぐる、あのモデルについて、ついにじっくりと調べてみましたので、皆さんにお伝えしたいと思います。それは、イタリアの老舗ブランドMASI(マジー)が放つ、クロモリグラベルツーリングバイク、「Catalina Apex(カタリナ・エイペックス)」です。

この自転車は、単なる移動手段ではありません。日常の通勤から週末のロングライド、そして時には荷物を満載して未知の道へと誘うバイクパッキングまで、僕たちの「旅したい」という本能を静かに、しかし力強く刺激してくれる存在です。なぜこのCatalina Apexが、多くの自転車好きの心を掴んで離さないのか。その歴史と哲学、そしてフレームに込められた魂を、僕なりの視点で深く掘り下げていきたいと思います。

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MASIという伝説:情熱と革新のイタリアンブランド

Catalinaを語る前に、まずはMASIというブランドが持つ、熱い血統について触れないわけにはいきません。MASIの物語は、1949年、イタリアのフレームビルダー、ファリエロ・マージによって幕を開けます。彼の作るクロモリスチールフレームは、その卓越した技術と芸術的な美しさで、当時のトッププロ選手たちを魅了しました。

ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアといった世界最高峰のレースで数々の勝利を収め、MASIの名は「勝利のバイク」として世界に轟いたのです。 彼らの哲学は、レースの頂点を目指すだけでなく、自転車に乗るすべての人が「最高の体験」をすること。その情熱は、創業から70年以上経った今も、MASIのすべての自転車に脈々と受け継がれています。

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Catalina Apexの誕生:旅する自転車への現代的な答え

そんなMASIが、現代の多様なライディングスタイルに応えるために生み出したのが、このCatalinaです。飽きのこないシンプルなデザインは、長旅にも、日々の通勤・通学にも、すっと溶け込みます。

メーカーがこのフレームに込めたコンセプトは、まさに「旅する自転車」。 舗装路の快速性を保ちながら、グラベル(未舗装路)や少し荒れた道にも臆することなく分け入っていける走破性。そして、たくさんの荷物を積んでも安定して走り続けられるタフさ。これらを、MASIが長年培ってきたクロモリフレームの技術で見事に融合させています。

特にCatalina Apexは、SRAMのAPEX 1×11速コンポーネントを標準装備することで、フロントシングルのシンプルな操作性と、ワイドなギア比による高い登坂性能を両立。トラブルのリスクを減らしつつ、どんな道でも楽しめる、まさに現代の冒険家のための仕様と言えるでしょう。

Catalina Apexのジオメトリ:快速性と安定性の共存

ここからは、Catalina Apexの設計思想を、具体的な数字から読み解いていきましょう。ジオメトリ表は、フレームの性格を最も雄弁に物語る設計図です。

MASI Catalina Apex ジオメトリ表

フレームサイズ430470490510535
ヘッドアングル70°71.5°71.5°71.5°72°
シートアングル74°74.5°74.5°74°73.5°
トップチューブ長(実効)515mm520mm525mm535mm545mm
ヘッドチューブ長100mm110mm115mm120mm125mm
チェーンステー長432mm432mm432mm432mm432mm
BBドロップ70mm70mm70mm70mm70mm
ホイールベース1010mm1007mm1012.2mm1017mm1017mm
フォークオフセット50mm50mm50mm50mm50mm

ジオメトリから読み解くCatalina Apexの特徴

僕がこのジオメトリで特に注目したのは、チェーンステー長BBドロップです。

  • 絶妙なバランスのチェーンステー長(432mm) ロードバイクよりは長く、本格的なツーリングバイクよりは少し短い432mmという数値は、MASIの狙いを明確に示しています。荷物を積んだ際の安定感を確保しつつも、街中でのストップアンドゴーやコーナリングで軽快さを失わない、まさに「快速ツーリング」のための絶妙なバランスです。
  • 低めのBBドロップ(70mm) BB(ボトムブラケット)の位置を70mmと低めに設定することで、バイク全体の重心が下がり、安定感が格段に向上します。 特に、グラベルのような不安定な路面や、荷物を積んだ状態でのコーナリングにおいて、ライダーに大きな安心感を与えてくれる設計です。

これらの数値は、MASIがCatalinaに「ツーリングバイクとしての安定性」と「ロードバイクのような快速性」を両立させようとした意図の表れだと、僕は読み解いています。

フレームスペック解説:旅の道具としてのこだわり

  • フレーム素材:ダブルバテッドクロモリ フレームには、軽量でありながら必要な強度を確保するダブルバテッドクロモリチューブを採用。 クロモリ特有の「しなり」が路面からの振動を吸収し、長距離でも快適な乗り心地を提供します。
  • 豊富なダボ穴 フレームとフォークには、キャリアやフェンダー、ボトルケージなどを取り付けるためのダボ穴が多数設けられています。 これにより、キャンプ道具を満載するバイクパッキングから、日常の買い物まで、用途に合わせて自由に拡張できるのが大きな魅力です。
  • タイヤクリアランス:700x35c標準装備 標準で700x35c(または37c)のセミブロックタイヤを装備し、オンロードからオフロードまで幅広い路面に対応します。 もちろん、最大で40c程度のタイヤを履かせることも可能で、乗り心地や走破性をさらに高めるカスタムも楽しめます。

完成車として十分なモデル

Catalina Apexは、2025年にかけて取り扱いが終了したモデルですが、その人気から今もなお店頭在庫で見かけることがあります。これだけのスペックを備えながら、本格的な旅の相棒としては、驚くほど手に入れやすい比較的手頃な価格帯に設定されているのも大きな魅力です。

  • MASI Catalina Apex 1×11 SRAM APEXコンポーネントとメカニカルディスクブレーキを装備した信頼性の高いモデル。 シンプルな操作性と幅広いギア比で、初めてのグラベルツーリングにも最適な一台です。そのままでも十分に旅に出られる完成度の高さは、これから自転車の冒険を始めたい人にとって、心強い味方となるでしょう。もし店頭で見かけたら、それは最後のチャンスかもしれません。

ヒロヤス的おすすめカスタム:最高の相棒を育てる

Catalina Apexは、そのままでも素晴らしいバイクですが、僕ならこうカスタムして、さらに自分だけの「最高の相棒」に育てていきます。

  • ホイール&タイヤ: 標準のホイールも十分ですが、より長距離を快適に走るなら、手組のホイールにアップグレードしたいところ。リムはVELOCITY A23のような軽量でタフなものを選び、ハブには回転性能と耐久性に定評のあるSHIMANO 105あたりを。タイヤはPanaracerのGravelKing SSの38cあたりを履かせれば、舗装路の転がり抵抗を抑えつつ、グラベルでのグリップ力も確保できます。
  • ハンドル: 標準のドロップハンドルも良いですが、僕はNITTOのM137 dirt drop barのような、少しフレア(下ハンドルが広がった)形状のものに交換します。これにより、オフロードでの安定性とコントロール性が格段に向上します。
  • サドル: 長旅の相棒には、やはりBROOKSの革サドルが欠かせません。使い込むほどにお尻の形に馴染んでいくB17は、クロモリフレームとの見た目の相性も抜群です。
  • ラック&バッグ: 通勤や日帰りツーリングにはADEPTのTruss Porter Rackをフロントに取り付け、大きめのバスケットを載せたいですね。本格的なバイクパッキングなら、FAIRWEATHERのフレームバッグやシートバッグを組み合わせれば、スマートかつ大容量の積載が可能です。

まとめ:Catalina Apexは、あなたの冒険の扉を開く鍵

MASI Catalina Apexは、単なる流行りのグラベルバイクではありません。それは、イタリアの情熱的な自転車作りの歴史と、現代の自由なライディングスタイルが見事に融合した、まさに「旅の道具」です。

日常という名の道を軽快に駆け抜け、時には地図にない裏道へと僕たちを誘う。この一台があれば、あなたの見慣れた風景も、きっと新たな冒険の舞台に変わるはずです。

もしあなたが、日々の生活にちょっとしたスパイスと、週末のささやかな冒険を求めているなら、Catalina Apexは最高の選択肢となるでしょう。

この記事を読んで、あなたのMASI Catalina Apexへの興味が少しでも深まれば嬉しいです。皆さんはどんなカスタムを考えますか?ぜひコメントで教えてくださいね。

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

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中の人はCrust evasion乗り。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログを解説しました。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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