メーカー紹介

「MASI」イタリアからアメリカへ渡った愛すべきクロモリバイクメーカー

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、僕が長年にわたって惹かれ続けている、特別な自転車ブランドについてお伝えしたいと思います。

そのブランドの名は**「MASI(マジィ)」**。

古くからの自転車好きなら、その名を聞くだけで心が躍るはずです。イタリアの名門でありながら、海を渡ってアメリカで独自の文化を築き、今なおクロモリフレームにこだわり続ける。その歴史と哲学を、僕なりに深く掘り下げてみたいと思います。

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伝説の職人、ファリエロ・マジィ

MASIの物語は、1949年のイタリア・ミラノで始まりました。創業者であるファリエロ・マジィは、元プロロードレーサーであり、チームメカニックとしても活躍した経験を持つ人物でした。彼は、選手が本当に求める乗り心地や性能を肌で知っており、その知識をフレーム作りに注ぎ込みました。

特に有名なのが、ミラノにある伝説の自転車競技場「ヴィゴレッリ」の地下工房です。ここでファリエロは、まるでテーラー(仕立て屋)がスーツを仕立てるかのように、一人ひとりの選手に完璧にフィットするフレームを作り上げました。その精密な仕事ぶりから、彼は**「The Tailor(仕立て屋)」**と称されるようになります。

エディ・メルクスをはじめ、ファウスト・コッピやジャック・アンクティルといった歴史に名を刻む多くの名選手たちが、彼の作ったフレームで勝利を手にしました。彼にとって自転車は単なる道具ではなく、乗り手のパフォーマンスを最大限に引き出すための芸術品だったのです。

イタリアからカリフォルニアへ

1970年代に入ると、MASIの物語は新たな展開を迎えます。当時、アメリカで高まっていたロードバイクブームを背景に、ファリエロは米国カリフォルニア州カーlsバッドに新しい工房を設立。これにより、MASIはイタリアとアメリカの二つの拠点で独自の道を歩み始めることになります。

このカリフォルニア時代のMASIは、熱狂的なファンを持つ名車の数々を生み出しました。 ちなみに、今ではクロモリバイクの愛好家から絶大な支持を得ているブラックマウンテンサイクルズマイク・ヴァーリー氏も、当時この米国MASIでプロダクト開発に携わっていました。MASIが現代の自転車文化に与えた影響の大きさが、こうした繋がりからも感じられます。

時代を超えて愛されるクロモリフレーム

現代の自転車市場は、カーボンやアルミが主流です。しかし、MASIは創業者の哲学を今も受け継ぎ、美しいクロモリフレームの自転車をラインナップし続けています。

その魅力は、やはり「しなやかな走り」に尽きるでしょう。路面からの衝撃を適度に吸収してくれる乗り心地は、まるで絨毯の上を走っているかのよう。スピードだけを追求するのではなく、風を感じ、景色を楽しみ、そして自転車との一体感を味わう。そんなライドの喜びを教えてくれます。

何を隠そう、僕も古いMASI SPECIALE COMMUTERを今でも大切に乗っています。通勤から休日の街乗りまで、日常の相棒として、この自転車が持つ温かみのある走りが僕のライフスタイルに欠かせないものとなっています。

ヒロヤスくん
ヒロヤスくん

平たくいうとサーリーのクロスチェック、キャリパーブレーキ版ですかね。もうちょいタイヤキャパ細いかも。

MASIを代表するプロダクトたち

MASIの現行モデルは、クラシックなロードバイクから、グラベルロード、街乗りのミニベロまで、多岐にわたります。その中でも、特にクロモリフレームの魅力を体現している代表的なプロダクトをいくつかご紹介しましょう。

グラベルロード Giramondo バイクパッキングや長距離ツーリングを想定した、本格的なクロモリグラベルロードです。フェンダーやキャリアのアイレットが多数備えられ、旅の可能性を広げてくれます。太いタイヤを装着することで、舗装路から未舗装路まで、あらゆる道を走破できます。

フラットバーグラベル Catalina 日常の街乗りから、少し冒険したい週末ライドまで、幅広く楽しめるフラットバーグラベルバイクです。クロモリのしなやかな乗り心地と、扱いやすいフラットバーハンドルの組み合わせは、自転車に乗りなれていない方にもおすすめです。

まとめ

MASIは、単なる自転車メーカーではありません。それは、一人の天才的な職人が築き上げた、美しさと機能性を兼ね備えた「物語」そのものです。創業者の時代から受け継がれてきた「乗り手のための自転車作り」の精神は、時代を超えて今の製品にも息づいています。

ファリエロ・マジィが選手一人ひとりの体に合わせてフレームを作ったように、現代のMASIのクロモリバイクも、乗り手のライフスタイルに寄り添い、日々の移動を特別なものに変えてくれます。 カーボンフレームのような圧倒的な軽さや硬さはありませんが、それとは違う、心地よい「人肌」のような温かみと、走る楽しさを教えてくれる。それが、僕がMASIのクロモリフレームに惹かれる理由です。

あなたの愛車に対するこだわりや、MASIに関する思い出など、ぜひコメントで教えてください!

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

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Hrys Basics(ひろやす)
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Designer & Cr-Mo Freeks
中の人はCrust evasion乗り。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れる30第半ばのクリエイター。 海外の自転車ニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログを解説しました。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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