自転車うんちく系

CRUST BIKESが、もっと身近になる。正規代理店登場に思う、evasion乗りのちっちゃな嫉妬とおっきな期待。

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。

僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は僕が愛してやまない、というか、その存在に常に心を揺さぶられ続けている自転車ブランド、「CRUST BIKES(クラストバイクス)」についてのお話をしたいと思います。最近、自転車好きの間で「お!」っとなる大きなニュースがありましたよね。そう、僕たちのブルーラグがCRUSTの日本の正規販売代理店になったようなのです。

これは本当に素晴らしいニュースで、これまで欲しくてもなかなか手が出せなかった人たちにとって、大きな扉が開かれた瞬間だと思います。全国の感度の高いショップで、あの独特のオーラを放つフレームが次々と組まれていく光景が目に浮かびます。実際、第一弾としてオレンジの新型Evasionや、鮮やかなブルーのBombora、そしてEvasionのステップスルーモデルなんかが、もうすでにショップのSNSを賑わせています。

正直に言うと、この状況に、僕は少しだけ、いや、かなりジェラシーを感じています(笑)。というのも、僕のEvasionは今のモデルより2世代前のもの。当時はまだ情報も少なく、個人でなんとか手に入れて、パーツ選びにも頭を悩ませた記憶があります。特にリアのエンド幅がBoost規格(148mm)だったので、MTB用のハブを探す必要があって、本当に選択肢が限られていたんです。それが、今のEvasionはどうでしょう。リアエンドは142mmのスルーアクスル。グラベルやロード用のパーツが当たり前に使える。もちろん、シングルスピードにも対応できるスイングドロップアウトの魅力はそのままに。…羨ましい!本当に羨ましい!

でも、この少し悔しい気持ちと同じくらい、いや、それ以上にワクワクしている自分もいるんです。これからEvasionやBomboraだけでなく、RomanceurやMalocchioといった、さらに個性的なフレームたちが日本にやってくるかもしれない。そう思うと、もういてもたってもいられません。今回はそんな、一人のCRUSTファンとしての、嫉妬と期待がないまぜになった今の気持ちを、少しお伝えできればと思います。

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そもそもCRUST BIKESとは?物語から始まる自転車づくり

CRUST BIKESの話をする上で、創業者であるMatt Whiteheadの存在は欠かせません。オーストラリア出身で、サーフィンやBMXにルーツを持つ彼が、ネパールを自転車で旅している最中に思い描いた「ドリームバイク」がブランドの原点だと言われています。宿のWi-FiとiPod touchだけで台湾の工場とやりとりを始め、旅から帰った半年後には、最初のプロダクトであるEvasionのプロトタイプを生み出したというエピソードは、あまりにも有名ですよね。

彼の作るバイクは、単なる移動手段としての工業製品ではありません。そこにはいつも旅の匂いや、古いものへの敬意、そして何より「どうすればもっと楽しめるか?」という純粋な探究心が詰まっています。トレンドを追いかけるのではなく、自分たちが本当に乗りたいもの、長く付き合えるものを追求する。その姿勢が、フレームの随所に現れているからこそ、僕たちはこんなにも心を惹かれるのかもしれません。

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身近になったCRUST。その功罪とこれからへの期待

ブルーラグが正規代理店になったことで、僕たち日本のユーザーには計り知れないメリットがあります。まず、購入のハードルが劇的に下がりました。これまでは個人輸入や、ごく一部のショップでしか手に入らなかったものが、これからは全国の取扱店で実物を見ながら、スタッフの方と相談して選べるようになります。保証やアフターサービスだって安心です。

その一方で、これまで「知る人ぞ知る」存在だったCRUSTが、ある意味で「誰もが知る」存在になっていくことへの一抹の寂しさも、正直なところ感じてしまいます。僕が苦労して組んだBoost規格のEvasionが、まるで苦労の証のように思えてきたり(笑)。

でも、それもすべて含めて、素晴らしいことなんだと思います。良いものが、それを求める人の手に届きやすくなる。そして、CRUSTというブランドが持つ唯一無二の魅力が、もっと多くの人に伝わる。それは、自転車というカルチャー全体が豊かになることと同義です。

僕が今、心から期待しているのは、ラインナップの拡充です。EvasionやBomboraはもちろん最高ですが、CRUSTの魅力はそれだけではありません。1インチスレッドとスルーアクスルを融合させたような「Romanceur」や、Columbus社の軽量パイプを使った美しいロードフレーム「Malocchio」。そういった、さらに深く、ある意味で少し偏屈な(褒め言葉です)モデルたちが日本の道を走り始める日を、僕は心待ちにしています。

新型EvasionとBombora、あなたならどう組む?

さて、これからCRUSTの世界に足を踏み入れようとしている方のために、現在日本で手に入る代表的な2つのフレーム、「Evasion」と「Bombora」の特性の違いと、僕なりの「こんな風に組んだら楽しいだろうな」というビルドの提案を少しだけしてみたいと思います。

冒険のための相棒「Evasion」

Evasionは、CRUSTの原点ともいえるフラッグシップモデル。「MTBとツーリングバイクの境界を飛び越えた」と表現されるように、その懐の深さが最大の魅力です。26×3.0インチのようなファットなタイヤから、27.5インチ、29インチまで対応するタイヤクリアランスは、まさにどこへでも行けるパスポートのようなもの。

このフレームで組むなら、やはりその走破性を最大限に活かすアッセンブルが面白いと思います。

  • ハンドル: ゆったりとした姿勢で、オフロードでもバイクをコントロールしやすい幅広のライザーバーや、Crust自身がリリースしている “Harvey Mushman Riser Bar” のようなスイープの強いハンドル。
  • コンポーネント: SRAMのMTBコンポ(GX Eagleなど)を使ったフロントシングルのワイドレンジなギア構成。急な登りも、荷物を積んだ状態も、これなら安心です。
  • ホイール/タイヤ: 27.5インチホイールに、2.6〜2.8インチ幅のチューブレスタイヤを。オンロードの転がりも意識しつつ、いつでもグラベルやトレイルに飛び込んでいけるような、そんな足回りが理想です。

ラックやフェンダーを取り付けるダボ穴も豊富なので、バイクパッキングやキャンプツーリングのベース車として、これ以上ない相棒になってくれるはずです。

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軽快なオールラウンダー「Bombora」

一方のBomboraは、Evasionに比べてより軽快でスピーディーな走りを意識したモデル。「オンロード7割、オフロード3割」という表現がされるように、舗装路の巡航性能と、グラベルでの走破性を高い次元で両立させています。熱処理が施された軽量なクロモリパイプが、その乗り味を支えています。

こちらのフレームは、その軽やかさを活かしたアッセンブルが似合います。

  • ハンドル: フレア形状のドロップハンドル。グラベルでの安定性と、オンロードでのエアロポジションを両立できるSalsaのCowchipperなどが定番でしょうか。
  • コンポーネント: ShimanoのGRXやSRAMのRival/Apexなど、グラベル用のコンポーネントが最適です。フロントダブルで組めば、より高速域のギアもカバーでき、長距離のロードツーリングも快適になります。
  • ホイール/タイヤ: 700cホイールに、38c〜48cくらいのグラベルタイヤ。PanaracerのGravelKingあたりは、見た目も性能も相性が良さそうです。軽快さを重視するなら、カーボンリムという選択肢も面白いかもしれません。

通勤や週末のサイクリングから、少し荷物を積んでの林道ツーリングまで。日常に寄り添いながら、時々冒険にも連れ出してくれる、そんな一台が組み上がるでしょう。

まとめ

CRUST BIKESが日本の正規代理店体制になったことは、僕たち自転車好きにとって、本当に大きな出来事です。手に入れやすくなったことを素直に喜びたい気持ちと、少しだけ遠い存在であってほしかったような、複雑なファン心理。でも、それもすべて含めて、CRUST BIKESというブランドが持つ物語の一部なのかもしれません。

古いEvasionオーナーとしては、パーツ選びが楽になった現行モデルに嫉妬しつつも、これからこの魅力的な自転車と、どんな新しい仲間たちが出会っていくのだろうと考えると、楽しみで仕方がありません。

この記事を読んで、CRUST BIKESの世界に少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。きっと、あなたの自転車ライフを、もっと豊かで、もっと自由なものにしてくれるはずですから。

皆さんは、もしCRUSTのバイクを組むとしたら、どのフレームで、どんな風に組んでみたいですか?ぜひコメントで教えてくださいね。

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

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中の人はCrust evasion乗り。最近古いMuddyFOXも仲間入りしました。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログにして行ってます。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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