パーツメーカー紹介

インダストリーナインというパーツブランドを徹底紹介。その美しいカラーアルマイトの歴史とは。

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。 僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は僕も個人的に大好きなカスタム、パーツ選びについて、特に「インダストリーナイン(Industry Nine)」というブランドについてお伝えしたいと思います。

正直、日本ではまだまだ知る人ぞ知る存在かもしれませんが、彼らが作るパーツには、他のどのブランドにもない特別な魅力が詰まっています。今回は、創設者のストーリーから、彼らがプロダクトに込める思い、そして日本での評価まで、深く掘り下げていきます。一度知ってしまうと、そのものづくりの哲学に深く心を奪われること間違いなしです。

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なぜインダストリーナインは特別なのか?創業の物語

インダストリーナインの物語は、アメリカのノースカロライナ州アッシュビルから始まります。 創業者のクリント・スピーゲルは、彼の父親が1969年に創業した精密機械加工の工場「Turnamics Inc.」で、幼い頃から機械に囲まれて育ち、その技術を肌で学んでいました。彼はもともと、レーシングカーや医療機器の部品製造に携わるエンジニアでした。

しかし、仕事の合間に地元のピスガ国立森林公園でマウンテンバイクに乗ることに夢中になるうちに、自分の持つ精密加工の技術と自転車への情熱を結びつけることを思いつきます。そして、2005年、彼はリアハブの革新的な設計を考案し、インダストリーナインというブランドを立ち上げました。

社名である「インダストリーナイン」は、彼の父親の機械工場から生まれた9番目の会社だったことに由来しています。彼のものづくりの原動力は、「もっと良いハブを作りたい」という純粋な探求心と、「どうすればライダーがより良い体験をできるか」という思想にあります。

「Made in USA」への揺るぎないこだわり

インダストリーナインの最も象徴的な哲学は、「Made in USA」への徹底したこだわりです。彼らは、原材料のアルミの塊からハブやスポーク、時にはリムに至るまで、すべての製造工程をアッシュビルの自社工場で一貫して行っています。

これは単なる生産地表示ではなく、自分たちの目が届く範囲で最高の品質を追求し、従業員や地域社会への敬意を大切にするという、彼らの倫理観そのものです。彼らが作るパーツは、一つひとつに職人の魂が宿る「工芸品」であり、「壊れない」「長く使える」という普遍的な価値を持っています。

日本での軌跡:知る人ぞ知る存在から確かな評価へ

インダストリーナインが日本に上陸してから、すでに10年以上が経過しているそうですが、依然として一部の自転車好きの間で愛されているブランドです。 しかし、その確かな性能と美しいデザインは、熱心なサイクリストたちの間でじわじわと人気を広げていきました。

僕も大阪の自転車屋さんで初めてインダストリーナインのホイールを見たときは、その鮮やかなアルマイトカラーと、アルミの塊から削り出されたような精緻なルックスに目を奪われました。彼らのプロダクトは、単に高価なパーツというだけでなく、自転車を自分だけの特別な一台に仕上げるための、最高の「表現ツール」なんです。

日本の正規代理店であるYuris(ユリス)さんが、彼らの魅力を丁寧に伝えてくれているのも大きいですね。また、かつてMTBレーシングチームのメカニックを務めていた人が、その性能に惚れ込んでチームで採用したというエピソードもあり、レースという過酷な現場で鍛え上げられた信頼性の高さが伺えます。

インダストリーナインを代表するプロダクトをピックアップ

インダストリーナインの哲学を最もよく体現しているのが、彼らが誇るハブとホイールです。ここでは、代表的なプロダクトをいくつか紹介します。

ハブ

インダストリーナインの心臓部であるハブは、彼らの精密加工技術の結晶です。

  • Hydra(ハイドラ):卓越した瞬時の噛み合い(エンゲージメント)が特徴で、ペダルを踏み込んだ瞬間にダイレクトな推進力を生み出します。旧モデルのTorchよりも静かで、耐久性もさらに向上しています。
  • Torch(トーチ):かつての主力モデルで、6つの爪(パウル)と120の噛み合いポイントを持つドライブリングにより、優れたエンゲージメントを実現しました。

ホイール

彼らはハブだけでなく、リムやスポーク、ニップルまでを自社で一貫して製造・アッセンブルしています。

  • エンデューロシリーズ: アグレッシブなオールマウンテンライド向けに設計されたモデルです。カーボンとアルミのラインナップがあり、特にカーボンリムは耐パンク性を高める肉厚なビードウォールや、路面追従性を高めるシャローリムが特徴です。
  • トレイルシリーズ: XCからアグレッシブなトレイルライドまで、幅広い用途に対応する軽量なモデルです。
  • グラベルシリーズ: グラベルやオールロード向けのホイール。軽量で反応性が高く、スムーズなライドを可能にします。

これらのホイールは、ハブやスポークのカラーを自由に組み合わせることができ、自分だけのオリジナルホイールを組むことが可能です。このカラーカスタムは、まさに僕のようなデザイナーの心をくすぐる、最高の楽しみの一つです。

インダストリーナインは「一生ものの道具」だ

インダストリーナインのプロダクトは、決して安価なものではありません。しかし、その価格には、創業以来変わらないものづくりへの情熱と、最高の品質を追求する職人たちの魂が詰まっています。

彼らのパーツは「壊れない」とすら言われるほどの耐久性を誇り、適切な手入れをすれば何十年も使い続けることができます。これは、現代の消費社会への一つの提案でもあり、僕たちが自転車を単なる消費財としてではなく、「一生ものの相棒」として愛するための、最高の選択肢を与えてくれます。

ペダリングを止めたときに聞こえる、高精度なハブが刻む小気味よいラチェット音。使い込むほどに深みが増していく美しいアルマイトカラー。インダストリーナインのパーツは、乗るたびに、触れるたびに、僕たちの自転車ライフを豊かにしてくれるのです。

もしあなたが、自分の自転車に、ただの製品ではない、職人の魂が宿った特別なパーツを求めているなら、ぜひ一度、インダストリーナインの世界に触れてみてください。

皆さんがインダストリーナインで好きなプロダクトや、その魅力を感じたエピソードがあれば、ぜひコメントで教えてくれると嬉しいです。

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

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中の人はCrust evasion乗り。最近古いMuddyFOXも仲間入りしました。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログにして行ってます。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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