自転車うんちく系

ショートクランク、実際どうなん?力学から見る、クランク長と走りの相互関係について。

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回はペダリングの感覚に直結する、自転車のパーツの中でも特に奥深い要素「クランク長」について深く掘り下げてみたいと思います。

最近、自転車業界のトレンドとして「ショートクランク」が注目されていますよね。ロードバイクの世界では特にその傾向が強いように感じますが、グラベルやMTBの世界でも、そのメリットに気づき始めている人が増えているんじゃないでしょうか。

「クランクの長さなんて、たかが数ミリの違いでしょ?」

そう思っている方もいるかもしれません。しかし、自転車を乗り続ける中で、このわずかな違いがもたらす影響の大きさに僕自身が気づかされました。見た目には小さな変化ですが、その先には快適性やパフォーマンス向上といった、大きなメリットが隠されています。

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なぜ、ショートクランクが注目されているのか?

クランク長の話をする前に、まず基本からおさらいしましょう。クランクとは、ペダルとBB(ボトムブラケット)をつなぐパーツのこと。ペダルを漕ぐことで、このクランクが回転し、チェーンを通じて後輪に力が伝わります。

クランクの長さは、その回転半径、つまりペダルが描く円の大きさを決定します。一般的なロードバイクでは170mmが標準とされていますが、近年では165mmや160mmといった短いクランクを選ぶ人が増えてきました。

このトレンドの背景には、様々な要因があります。

1. ペダリング効率の向上

クランクが短くなると、ペダルが描く円の直径も短くなります。たかが5mm短くなるだけでも、ペダルが1周する間に移動する距離は直径が1cm短くなり、その分円周も約3.14cm短くなるんです。

わずかな差に見えますが、サイクリング中僕達はペダルを何千、何万と回して自転車を進めるわけです。このわずかな違いが、ペダリング効率に大きな影響を与えます。

  • スムーズなペダリング: 短いクランクは、ペダルが上下する際の膝や股関節の可動域を小さくします。これにより、無理のないスムーズなペダリングが可能になり、特に高ケイデンス(ペダルの回転数が多い状態)でのペダリングが楽になります。
  • 空気抵抗の低減: 膝の上下動が少なくなることで、前面投影面積が小さくなり、空気抵抗の低減にもつながります。これは、特にタイムトライアルやトライアスロンといった競技において、大きなメリットとなります。
  • 高ケイデンスでの巡航: クランクが短いと、一回転あたりのトルクはやや落ちますが、その分、素早くペダルを回すことができます。高ケイデンスで滑らかにペダルを回すことで、脚への負担を軽減し、長時間のライドでも疲れにくくなるというわけです。

2. 身体への優しさ

短いクランクは、膝や股関節への負担を軽減する効果も期待できます。

クランクが長いと、ペダルが一番上に来たときに膝が深く曲がりすぎ、関節へのストレスが増加します。ショートクランクにすることで、膝の曲がりが緩やかになり、怪我のリスクを減らすことができます。

特に膝に不安を抱えている方や、これから本格的にロードバイクを始めたい方には、試してみる価値のある選択肢です。

身長・股下とクランク長の最適な関係

クランク長は、個人の身体的な特徴、特に股下の長さに合わせて選ぶのが理想とされています。一般的に推奨される目安として、股下寸法から計算する式や表がよく使われます。

  • 股下寸法 × 0.21 = クランク長(mm)

これはあくまで目安ですが、一つの基準として覚えておくと良いでしょう。

例えば、日本人男性の平均身長は約170cm、その平均股下は約76.5cmと言われています。この数値を上記の式に当てはめてみましょう。

765mm × 0.21 = 160.65mm

この計算が示すように、平均的な日本人の体型には160mm前後のクランクが最も適している可能性が高いのです。

170mmクランクは誰にとって長いのか?

一般的なロードバイクに多く採用されている170mmクランクですが、身長170cm前後で股下が平均的な日本人の場合、決して短いクランクとは言えません。むしろ、少し長すぎる可能性があると考えられます。

  • 深い膝の曲がり: ペダルが一番上に来た時、膝が深く曲がりすぎると、太ももの前側に過剰な負担がかかります。
  • 腰痛の原因: 膝の動きが大きくなることで、骨盤が左右に揺れやすくなり、腰痛につながることもあります。

このような症状に心当たりのある方は、一度クランク長を見直してみることをおすすめします。ほんの数ミリの違いですが、身体への影響は計り知れないものです。

ショートクランクがもたらす「副産物」的なメリット

ショートクランクにすることには、ペダリング以外の副次的なメリットも存在します。

1. サドル高の調整幅の拡大

クランクが短くなることで、サドルの位置を高く設定することができます。これにより、シートポストの突き出し量が増え、見た目の美しさが向上するだけでなく、より前傾姿勢を取りやすくなるという効果も期待できます。

デザイナーの僕としては、この美しさの向上は無視できないポイントです。

2. グラベルやMTBにおけるクリアランスの確保

グラベルロードやMTBでは、悪路走行時にクランクやペダルが地面や障害物にヒットするリスクがあります。

ショートクランクにすることで、クランクと地面のクリアランスが増え、そうしたリスクを減らすことができます。これは、僕が愛するグラベルやMTBの世界で特に重要なメリットだと感じています。

まとめ

クランク長は、自転車の性能だけでなく、乗り手である僕たちの身体と密接に関わる非常に重要な要素です。170mmが標準だからと何も考えずに選ぶのではなく、一度自分の身体と向き合い、最適なクランク長を探求してみる価値は十分にあります。

  • ショートクランクのメリット: スムーズなペダリング、高ケイデンスでの巡航、膝や股関節への負担軽減、空気抵抗の低減、見た目の美しさ、そしてグラベルやMTBでのクリアランス確保。
  • クランク長を選ぶ上でのヒント: 股下寸法を測り、おおよその目安を把握する。実際に試乗してみるなどして、自分のペダリングスタイルに合う長さを探す。

もし今、クランク長に少しでも疑問を感じているなら、ショップで相談してみたり、レンタルバイクを試してみたりするのも良いかもしれません。たった数ミリの差が、あなたの自転車ライフをより豊かに、より快適にしてくれるかもしれませんよ。

今回の記事を読んで、クランク長について何か思うことや、皆さんのこだわりがあれば、ぜひコメントで教えてください!

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

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Designer & Cr-Mo Freeks
中の人はCrust evasion乗り。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログを解説しました。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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