僕のオールドMTBレストア熱を再燃させた、Crust BikesのWombatという刺激的な存在

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。
僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、僕が最近気になって仕方がない一台の自転車について、その魅力をじっくりとお伝えしたいと思います。
少し前に、古いマディフォックスのMTBをレストアした話は記事にもしましたが、あの26インチのクロモリMTBに乗る時間が、僕にとってかけがえのないものになっています。思い通りに操れるサイズ感、タイヤのエアボリュームがもたらす乗り心地の良さ。本当に素晴らしい体験です。
そんな日々を過ごす中で、一台の自転車が僕の心を強く捉えました。それが、今回紹介する**Crust Bikes(クラストバイクス)の「Wombat(ウォンバット)」**です。
レストアしたマディフォックスで感じた楽しさを、さらに現代的な解釈でアップデートしたかのような存在。26インチから650bへと拡大されたホイール、変わらないタイヤのエアボリューム感、クイックなハンドリングを予感させるヘッドアングル。そして何より、僕が最も信頼し、扱いやすいと感じているVブレーキを採用している点。そのすべてが、僕の自転車への探究心を再び燃え上がらせるには十分すぎるほどの魅力に満ちていました。
今回は、このWombatという自転車がなぜこれほどまでに僕を惹きつけるのか、そしてその背景にあるCrust Bikesというブランドの哲学にも触れながら、その核心に迫っていきたいと思います。
自由な精神が生んだバイクブランド、Crust Bikesの物語
Wombatの話をする前に、まずはこのユニークな自転車を生み出したCrust Bikesというブランドについて触れないわけにはいきません。
Crust Bikesは、2014年頃にオーストラリア人のマット・ホワイトヘッド氏によって立ち上げられました。彼のルーツはサーフィンやBMXにあり、長年にわたる自転車での旅の経験がブランドの礎となっています。北米から南米、カナダ横断といった大陸規模のツーリングを経験する中で、既存の自転車に満足できず、「もっと自分たちのスタイルに合った、本当に乗りたい自転車を作りたい」という情熱から、台湾の工場に自らコンタクトを取り、最初のフレーム「Evasion」を製作したのが始まりです。
ブランド名である「Crust」には、オーストラリアのスラングで「生計を立てる」という意味と、アメリカのスラングで「アナーキーな放浪者」という、二つの意味が込められているそうです。まさにマット氏の生き様そのものを表しているかのようですね。
彼らの作る自転車は、レースで勝つための機材ではありません。サーフやスケート、ファッションといったストリートカルチャーの空気感を纏い、従来のジャンルや常識といった境界線を軽々と飛び越えていきます。古き良きデザインや規格を大切にしながらも、現代のテクノロジーやアイデアを柔軟に取り入れる。その絶妙なバランス感覚こそが、Crust Bikesの最大の魅力と言えるでしょう。
彼らは単に製品を売るのではなく、自転車を取り巻くカルチャーや、そこに関わる人々の物語を大切にしています。だからこそ、彼らの作るクロモリフレームには、単なる工業製品にはない、温かみと独特のオーラが宿るのです。


なぜWombatはこれほどまでに魅力的なのか?
さて、いよいよ本題のWombatについてです。この自転車が持つ、僕を惹きつけてやまない特徴を、一つずつ紐解いていきましょう。
絶妙なホイールサイズ「650b」がもたらす走破性と楽しさ
僕が乗っているオールドMTBは26インチです。このサイズ感は取り回しが良く、本当に楽しい。しかし、もう少しだけ走破性が高ければ、と感じる瞬間があるのも事実です。
Wombatが採用する650b(27.5インチ)というホイールサイズは、まさにその「もう少し」を完璧に満たしてくれます。26インチの持つクイックな操作感を大きく損なうことなく、段差や荒れた路面を乗り越える走破性を向上させてくれる。それでいて、29インチほど大掛かりではない。この絶妙なサイズ感が、街乗りからちょっとしたトレイルライドまで、あらゆる場面で最高の「楽しさ」を演出してくれるはずです。太いタイヤを履くことを前提としているため、エアボリュームによる快適性も申し分ありません。
BMXやオールドスクールMTBの匂いがするジオメトリ
Wombatのジオメトリを見ると、BMXライダーであったデザイナーの遊び心が随所に感じられます。少し高めに設定されたBB(ボトムブラケット)ハイト、短めのチェーンステイ。これらは、自転車を操る楽しさ、例えばウイリーやバニーホップといったアクションのしやすさに直結します。
さらに、ヘッドチューブアングルは69度と、現代のMTBとしては少し立ち気味の設計です。これにより、クイックでキビキビとしたハンドリングが生まれます。僕がオールドMTBに感じている、あのダイレクトな操作感に近いものを、Wombatは持っているに違いありません。
潔さと信頼性の象徴「Vブレーキ」と「シングルスピード」
ディスクブレーキが主流の現代において、Wombatは敢えてVブレーキを採用しています。(ディスクブレーキ仕様のモデルもあります)これは僕にとって、非常に大きなポイントです。
Vブレーキは、構造がシンプルでメンテナンスが容易。そして、制動力も十分です。何より、自分の手で調整し、その性能を最大限に引き出すという、自転車との対話のような感覚が好きなんです。この思想は、Crust Bikesが持つ「自転車はもっとシンプルでいい」というメッセージのようにも感じられます。
そして、基本はシングルスピードであるという潔さ。変速機がないことで、トラブルのリスクは減り、メンテナンスも格段に楽になります。何より、自分の脚力と路面状況だけでギア比を選ぶという、自転車との一体感を最も純粋に感じられるスタイルです。このシンプルさが、Wombatの持つ「遊びの道具」としてのキャラクターをより一層際立たせています。
それでいて、ドロッパーシートポストやダイナモハブのケーブルを内装できる拡張性も備えている。古いものと新しいものを柔軟に組み合わせる、まさにCrust Bikesらしい一台です。

Crust Bikesを代表するプロダクト
Wombat以外にも、Crust Bikesにはその哲学を色濃く反映した魅力的なフレームが数多く存在します。ここでいくつか紹介しましょう。
Evasion(イヴェージョン)
Crust Bikesの原点ともいえるモデル。26+や650bの太いタイヤを履きこなす、ダートツーリングやバイクパッキングのためのフレームです。「Randonneur on steroids(ステロイドを使ったランドナー)」と表現されるように、長距離を快適に走りながらも、どんな道でも走破できるタフさを兼ね備えています。
Bombora(ボンボラ)
EvasionがMTB寄りなら、Bomboraはもう少しロードバイク寄りの万能グラベルバイクと言えるでしょう。軽快な走りを持ち味としながらも、太いタイヤを許容するクリアランスを持ち、日々の通勤から週末のグラベルライド、そしてバイクパッキングまで、これ一台で幅広くこなせる懐の深さが魅力です。
Lightning Bolt(ライトニングボルト)
舗装路を美しく、速く走るためのランドナーフレーム。細身の美しいクロモリチュービングが特徴で、しなやかな乗り心地は長距離ライドでの疲労を軽減してくれます。古き良きランドナーのスタイルを現代に蘇らせた一台です。
まとめ
今回は、僕が今最も気になっている自転車、Crust BikesのWombatについて、その魅力の源泉を探ってみました。
レストアしたオールドMTBに乗ることで再確認した「自転車を操る純粋な楽しさ」。Wombatは、その感覚を650bという現代的なホイールサイズと、BMXのテイストを取り入れたジオメトリで見事に昇華させているように感じます。
Vブレーキやシングルスピードという、一見時代に逆行しているかのようなシンプルな構成。しかし、それは決して懐古趣味なのではなく、「自転車の楽しさの本質とは何か?」という問いに対する、Crust Bikesなりの明確な答えなのでしょう。自分たちの信じる「格好良さ」や「楽しさ」を追求し、それを形にする。そのブレない姿勢こそが、世界中のサイクリストを惹きつける理由なのだと、今回改めて感じました。
Wombatは、ただの移動手段ではなく、乗り手の創造力を刺激し、「これでどこへ行こうか、何をして遊ぼうか」とワクワクさせてくれる、最高の「遊びの相棒」になってくれるはずです。僕自身、この魅力的なフレームを手に入れて、自分だけの一台を組み上げる日を夢見ています。
この記事を読んで、Crust BikesやWombatに興味を持った方がいらっしゃれば、ぜひコメントであなたの考えを聞かせてください。皆さんの「気になる一台」の話も聞いてみたいです。
それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!
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