「FAIRWEATHER dodo」の魅力。街と旅をシームレスに繋ぐクロモリフレーム

こんにちは、ヒロヤスです。 大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。 僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。
さて、今回は、僕が発売を心待ちにしていた、そして皆さんにもぜひその魅力をいち早くお伝えしたいと思っていた新しいフレームについてお話したいと思います。
そのフレームとは、東京の自転車ショップ「BLUE LUG」が手掛けるオリジナルブランド「FAIRWEATHER」の「dodo」というモデルです。 FAIRWEATHERといえば、機能的でありながらデザイン性の高い、僕たちのような街乗りから旅までを愛するサイクリストの心をつかんで離さないアイテムを数多く生み出しています。
その中でも、この「dodo」は、ブランドの哲学を色濃く反映した、まさに新たなスタンダードを築く存在。 単なる自転車のフレームではなく、乗り手のライフスタイルに寄り添う、個性的な相棒になってくれる、そんな風に感じています。
「FAIRWEATHER dodo」の背景にある物語
FAIRWEATHERというブランドは、晴天や快晴を意味する言葉が示すように、「自転車を楽しむための最高の道具」を追求しています。 ロードバイクのようなスピードを競うモデルとは一線を画し、日常の街乗りから、週末の小旅行、さらにはバイクパッキングのような本格的な冒険まで、あらゆるシーンをシームレスにつなぐことを目的としています。
この「dodo」という名前には、絶滅した鳥の「ドードー」が持つどこか愛らしく、そしてユニークな存在感が重ねられているように感じます。 それは、量産型ではない、一つひとつに作り手の思いが込められた、特別なフレームであることを示唆しているのかもしれません。 街の風景に溶け込みながらも、どこか目を引く独特な佇まい。 それは、デザイナーとしてモノづくりに携わる僕が、つい惹かれてしまうポイントです。

乗り手のスタイルを広げるジオメトリと適応身長
dodoフレームは、その独特なジオメトリが大きな特徴です。 特に、スローピングしたシートチューブに対して、トップチューブが長めに設計されています。 このトップチューブが長いジオメトリは、ハンドルまでの距離を確保し、アップライトなポジションを自然に作ります。
公式サイトの情報と僕自身の考察を元に、サイズ別の適応身長とジオメトリの特徴をまとめました。
サイズ | XS | S | M | L |
適正身長 (cm) | 155〜160 | 160〜165 | 168〜172 | 172〜178 |
シートチューブ長 (C-T)(mm) | 460 | 500 | 525 | 545 |
トップチューブ長 (水平C-C)(mm) | 535 | 542 | 558 | 578 |
ヘッドアングル | 70.5° | 71° | 71° | 71° |
ヘッドチューブ長(mm) | 110 | 130 | 150 | 165 |
チェーンステー長(mm) | 440 | 440 | 445 | 450 |
BB下がり(mm) | 75 | 75 | 75 | 75 |
シートアングル | 71.5° | 72° | 72° | 71.5° |
このジオメトリは、ハンドルバーの選択肢を広げ、多様な乗り方に対応します。 特に、トップチューブが長いジオメトリは、アップライトなポジションを自然に作り出すため、広めのバックスイープ(手前に曲がっている)のついたハンドルバーとの相性が抜群に良いです。 バックスイープによってハンドルの握り位置が手前に来るため、無理に前傾姿勢をとる必要がなく、リラックスした状態で快適に街を流すことができます。
一方、ロードバイクで一般的なドロップハンドルを装着する場合でも、このジオメトリは柔軟に対応します。 トップチューブが長い分、通常よりも短めのステム(例:60mm〜80mm)を選ぶことで、適切なポジションを構築できます。 これにより、スポーティーなドロップハンドルの見た目や性能を保ちながらも、一般的なロードバイクよりもゆとりのある、ツーリングに適したジオメトリに仕上がります。
このように、dodoは特定の乗り方やハンドルバーに縛られることなく、乗り手の好みやスタイルに合わせてポジションを細かく調整できる、非常に柔軟性の高いフレームと言えます。
特筆すべきフレームのスペック
dodoフレームは、その用途を考えた上で、各部にこだわりが詰まっています。
- 素材: クロモリ
- クロモリ特有のしなやかな乗り心地は、長時間のライドでも身体への負担が少なく、街中の細かな振動も心地よく吸収してくれます。乗り手のペダリングに合わせてフレーム全体がしなり、力強く進む感覚は、クロモリを愛する僕にとってはたまらない魅力です。
- ホイールサイズ: 650B
- MTBで主流の27.5インチ(650B)を採用しています。これにより、48Bという太めのタイヤを装着可能で、アスファルトのひび割れや未舗装路も気にせず走破できます。安定感と走破性が増し、街中から少し冒険に出るようなライドに最適です。
- ブレーキ: Vブレーキ or カンチブレーキ
- 確実な制動力が得られるVブレーキ、そしてクラシックなルックスのカンチブレーキのどちらにも対応します。
- カンチ台座について
- dodoのシートステーに直付けされたカンチ台座は、ただブレーキを取り付けるためのものではありません。これはフレームの機能性と美しさを両立させる、デザイナーの細やかな配慮だと僕は感じています。Vブレーキが主流の現代において、あえてカンチブレーキに対応する台座を設けることは、クラシックなスタイルへのリスペクトを示しています。カンチブレーキ特有の美しいワイヤーの取り回しは、dodoのすっきりとしたフレームデザインによく映えます。また、マッドガードやキャリアを取り付ける際のクリアランスを確保しやすいという実用的なメリットもあり、街乗りからバイクパッキングまでシームレスに楽しめるよう、細部にわたるまで工夫が凝らされていることがわかります。
- エンド幅: フロント100mm、リア130mm
- ロードバイクで一般的なエンド幅を採用しているため、既存のロードバイク用ハブやホイールを流用しやすいという利点があります。
- シートポスト径: 27.2mm
- 27.2mmは最も一般的なサイズであり、様々なシートポストから選択可能です。また、この細さが、乗り心地の良さにも貢献します。
- BB規格: JIS(68mm)
- 一般的なJIS規格なので、クランクやBBのパーツ選択に困ることがありません。
こんな人に乗ってほしい、ヒロヤスが思うdodoの理想像
dodoは、単に速さを求める人には向いていないかもしれません。 それよりも、自転車に乗ること自体を心から楽しみたい、そんな人にこそお勧めしたいフレームです。
街乗りを最高に楽しみたい人: 信号の多い街中を軽快に駆け抜け、カフェに立ち寄る、そんな日常を豊かにしたい人。
バイクパッキングに挑戦したい人: 様々なダボ穴が用意されているため、キャリアやボトルケージを複数取り付け可能です。週末を利用して近隣の山へ出かけたり、少し長めの旅に出てみたい人。
自分だけのスタイルを追求したい人: 他の人と同じ自転車は嫌だ、パーツ選びからとことんこだわりたい人。クラシックなスタイルから、モダンなミックススタイルまで、自由な発想でビルドを楽しめます。
dodoを代表するプロダクト、ヒロヤス的おすすめビルド
僕がもしdodoフレームで一台組むとしたら、街乗りでの快適性と旅への拡張性を両立させた、こんなビルドにしたいですね。
ハンドルバー:FAIRWEATHER b903 bullmoose bar
一体型で見た目の美しさもさることながら、適度なバックスイープが快適なポジションを提供してくれます。長いトップチューブと組み合わせることで、まさにこのフレームのコンセプトを体現したような、リラックスしつつもキビキビと走れる一台に仕上がります。
タイヤ:WTB Horizon 650B x 47C
クッション性に優れ、乗り心地の良さをさらに引き立てます。サイドウォールがアメ色でクラシックな雰囲気も演出できます。
コンポーネント: シマノのグラベルコンポ GRX
信頼性と確実な変速性能は、街乗りからグラベルまで安心して楽しめます。1x(ワンバイ)のシンプルな構成もこのフレームにはよく似合います。
バッグ類:FAIRWEATHER frame bagやhandlebar bag
ブランドが同じFAIRWEATHERで統一することで、見た目のバランスが良くなります。バイクパッキングにも最適です。
まとめ
FAIRWEATHERのdodoは、クロモリ特有のしなやかな乗り心地と、どこか親しみやすい佇まいを兼ね備えたフレームです。 ジオメトリ、カンチ台座、そして650Bのタイヤクリアランスといった一つひとつの特徴は、単なるスペックではなく、**「自転車をより自由に、そして美しく楽しんでほしい」**という作り手のメッセージだと僕は受け取りました。
このフレームは、通勤や通学といった日常の移動手段としてだけでなく、ふと思い立った時にちょっとした冒険へ繰り出す相棒にもなってくれます。 自分らしい一台を組んで、街の風景を切り取ったり、自然の中へ飛び出したり。 自転車と共に過ごす時間が、もっと豊かで特別なものになるはずです。
皆さんはこのフレームを見て、どんなビルドを想像しましたか?どんなパーツを合わせたいですか?ぜひコメントで教えてくださいね。
それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!