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Oury Grip(オーリーグリップ)の物語。Made in USAの魂、握り心地への最高のアンサー。

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。

僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、自転車のパーツの中でも、僕たちが常に触れている部分、それでいて、その選択にはっきりと個性や哲学が表れる「グリップ」について、じっくりとお伝えしたいと思います。数あるグリップメーカーの中でも、一度使ったら忘れられない、独特の存在感を放つブランドがあります。その名は「Oury Grip(オーリー・グリップ)」。

このワッフルパターンのような、一度見たら忘れないデザイン。ピストバイクやオールドMTBが好きな人なら、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。でも、その背景にある物語を知っている人は、意外と少ないかもしれません。単なる「握りやすいグリップ」という言葉だけでは到底語り尽くせない、Oury Gripが持つ深い魅力と歴史の旅へ、皆さんと一緒に出かけたいと思います。

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モトクロスコースの土埃から生まれたグリップ

Oury Gripの物語は、今から50年以上も前の1960年代後半に遡ります。創業者であるウィリアム・”ビル”・オーリー氏は、当時盛り上がりを見せていたモトクロスのライダーでした。激しいライディングで求められるのは、確実なバイクコントロールと、長時間の走行でも疲れにくい快適性。彼は市販のグリップに満足できず、理想のグリップを自ら作り出すことを決意します。

こうして生まれたのが、Oury Gripの原型でした。そのルーツは、自転車ではなくパワースポーツ、つまりオートバイの世界にあったのです。だからこそ、Oury Gripは他の自転車用グリップとは一線を画す、振動吸収性や耐久性への強いこだわりを持っているんですね。

変わらないことの美学、Made in USAへのこだわり

Oury Gripを語る上で絶対に外せないのが、その生産背景です。創業から今日に至るまで、Oury Gripは一貫して「Made in USA」を貫いています。

多くのブランドが生産拠点を国外に移していく中で、彼らは頑なにアメリカでの生産を続けてきました。そこには、自社製品の品質に対する絶対的な自信と、モノづくりへのプライドが感じられます。

2017年、Ouryは大きな転機を迎えます。創業から長年ブランドを支えてきた中心人物の引退を機に、同じくアメリカのグリップ・バーテープメーカーである「Lizard Skins(リザードスキンズ)」社へブランドが引き継がれることになりました。しかし、Lizard Skins社はOuryが築き上げてきた伝統を深く理解していました。ブランド名はもちろん、その象徴であるデザイン、そして何より「Made in USA」の生産体制も、そのまま受け継ぐことを約束したのです。時代が変わっても、会社が変わっても、Ouryの魂は変わらない。この一貫した姿勢こそが、多くのファンを惹きつけてやまない理由の一つなのでしょう。

なぜOury Gripはこれほどまでに愛されるのか?

では、具体的にOury Gripの魅力とは何なのでしょうか。

まず、そのアイコニックなデザイン。大きな四角いブロックが並んだような独特のパターンは、抜群のクッション性を生み出します。この肉厚で柔らかいコンパウンドが、路面からの不快な振動を吸収し、手のひらの痺れや疲れを劇的に軽減してくれます。長距離を走るツーリングや、荒れた道を行くグラベルライドでは、この恩恵をはっきりと感じることができるはずです。

それでいて、グリップ力も非常に高い。ブロックのエッジが指にしっかりと食いつき、雨の日や汗をかいた手でも滑りにくい。見た目のポップさとは裏腹に、非常に実直で機能的な設計がされているんです。

そして、このグリップが持つ独特の「空気感」。どこか懐かしく、それでいて古さを感じさせない普遍的なデザインは、クロモリフレームの繊細なバイクから、ストリートを駆け抜ける無骨なMTBまで、どんな自転車にも不思議と馴染んでしまいます。愛車に少しだけ「カルチャー」の香りを加えたい、そんな時にもOury Gripは最高の選択肢になります。

自転車シーンとの出会い

モトクロスから始まったOury Gripが、どのようにして自転車の世界にやってきたのでしょうか。

その性能の高さは、BMXや初期のマウンテンバイクのライダーたちの間ですぐに評判となりました。彼らはOury Gripがもたらす快適性とコントロール性をいち早く見抜き、自分たちのバイクに採用し始めたのです。

日本でその名が広く知られるようになったきっかけの一つは、2007年に公開されたサンフランシスコのピストバイククルー「MASH SF」の映像作品でしょう。彼らのアグレッシブなライディングスタイルと、それを支えるバイクのパーツチョイスは、世界中のストリートシーンに大きな影響を与えました。その映像の中で、多くのライダーがOury Gripを装着していたことで、日本でもピストバイクやシングルスピードのカスタムにおける定番アイテムとして確固たる地位を築いたのです。

Ouryを代表するプロダクト

現在も、Oury Gripはその基本設計を変えることなく、時代のニーズに合わせた製品を展開しています。いくつか代表的なモデルを紹介しますね。

Oury Grip Mountain Grip (Original)

すべての基本となる、最もクラシックなモデル。スリップオンタイプで、その握り心地はまさに「Oury」そのもの。豊富なカラーバリエーションで、愛車のアクセントに最適です。自分の好きな長さにカットして使えるのも魅力ですね。

Oury Lock-On Grip

クラシックな握り心地はそのままに、ボルトでハンドルバーに固定できるロックオンタイプ。激しいライディングでもグリップがずれる心配がなく、MTBやグラベルバイクで安心して使えます。取り付けや取り外しも簡単です。

Oury V2 Grip

オリジナルのデザインを踏襲しつつ、現代のワイドなハンドルバーに合わせて少し長めに設計されたモデル。より多様なライディングスタイルに対応する、進化版のOuryです。

まとめ:グリップひとつに宿る、カルチャーと哲学

今回は、Oury Gripという一つのグリップが持つ、深い物語についてお伝えしてきました。

それは単なるゴムの塊ではありません。モトクロスの情熱から生まれ、アメリカのモノづくり精神に育まれ、そしてストリートカルチャーの中で愛されてきた、歴史そのものだと僕は思います。ハンドルを握るたびに、そのブロックの一つひとつから、50年以上の歴史と哲学が伝わってくるようです。

もしあなたが、自分の自転車にもっと愛着を持ちたい、パーツ一つひとつにこだわりたいと考えているなら、ぜひ一度Oury Gripを試してみてください。きっと、あなたの自転車ライフが、もっと豊かで楽しいものになるはずです。

この記事を読んで、Oury Gripについて感じたことや、あなたのおすすめのグリップなどがあれば、ぜひ下のコメント欄で教えてください。皆さんの自転車の話を聞けるのを楽しみにしています。

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

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中の人はCrust evasion乗り。最近古いMuddyFOXも仲間入りしました。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログにして行ってます。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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