ヘヴィなクロモリ乗りでも唯一気にしたい、ホイールの重量。その理由を徹底追跡!

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。
僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、多くの自転車好きが一度は悩む、ちょっとディープなテーマについて深く掘り下げたいと思います。
それは、クロモリ自転車のパーツ選びで、唯一、重量を気にするべきパーツは何かという問いです。
クロモリフレームの自転車に乗っていると、「重くて坂道は無理じゃない?」なんて聞かれることも少なくありません。僕も以前の記事で、クロモリの重量は坂道でのパフォーマンスにそこまで大きな影響を与えないという話をしました。でも、実はこれには例外があります。自転車を構成するたくさんのパーツの中で、唯一、重量が走りに劇的な影響を与えるパーツがたった一つだけあるんです。
それは、ホイール、タイヤの足回りのパーツです。
今回は、なぜホイールだけが特別なのか、その理由を深く掘り下げながら、僕が考える「最高のホイール選び」の哲学を皆さんにお伝えしたいと思います。この記事を読めば、あなたのクロモリ自転車が持つ真のポテンシャルを引き出すヒントが見つかるはずです。
なぜ、ホイールだけが特別なのか?
自転車のパーツは、大きく分けて**「バネ上重量」と「バネ下重量」**に分けられます。バネ上重量はフレームやサドル、ハンドルなど、サスペンション(タイヤの空気圧やフレームのしなり)の上にあるパーツの重さです。一方、バネ下重量は、サスペンションの下にあるパーツ、つまりホイールやタイヤの重さのことです。
自転車の性能、特に加速や登坂性能に影響を与えるのは、このバネ下重量なんです。
遠心力が生み出す「見えない重さ」
なぜホイールの重さが重要なのでしょうか?それは、ホイールが回転する際に発生する遠心力にあります。時速30kmや40kmといった高速で回転するホイールは、その重さの何倍もの慣性力を持つことになります。
例えば、車重として測っただけなら単純に500gの差でしかありませんが、ホイールが1kg軽くなると、回転する際には、その何倍もの軽さを感じることができます。つまり、ホイールの軽さは、加速時や登坂時、そしてスピードの維持において、フレームやその他のパーツの軽さとは比較にならないほどの効果を発揮するんです。
これは、僕たち自転車乗りにとって非常に重要な発見でした。
フレームの重さは「誤差」に過ぎない
僕がクロモリフレームの自転車を愛する理由の一つに、その乗り心地の良さとタフさがあります。アルミフレームやカーボンフレームと比べても、その重さの差はせいぜい1〜2kg程度。このくらいの差なら、ボトルケージに水を満載したり、朝食を少し多めに食べたりするだけで簡単にひっくり返ってしまいます。
フレームは自転車の「土台」であり、「乗り味」を決定づける最も重要な要素です。だからこそ、僕はフレームの重さを気にしません。それよりも、クロモリが持つ「しなやかさ」や「乗り味の優しさ」といった、数値では測れない魅力を大切にしたいんです。
しかし、ホイールだけは話が別です。ホイールの重さは、僕たちの走りにダイレクトに影響します。だからこそ、クロモリ自転車を組む上で、唯一、徹底的に重量にこだわるべきパーツがホイール、タイヤの足回りなんです。
遠心力の影響を計算で考えてみよう
それでは、具体的にホイールのわずかな重量差が、どれほどの違いを生むのか計算で見ていきましょう。
遠心力は、以下の式で求められます。
F=m∗r∗ω2
- F: 遠心力
- m: 質量(重さ)
- r: 回転半径
- ω: 角速度(回転の速さ)
この式が示すように、遠心力は回転半径と回転の速さの2乗に比例して大きくなります。
これを自転車のホイールに当てはめてみましょう。
時速30kmで巡航している自転車のタイヤは、分速500回転もの速さで回っています。この時、もしホイールの重さに500gの差があったとします。この500gの差は、平地を走っているだけなら単純に500gの差でしかありませんが、登り坂や加速時になると話は変わってきます。
加速しようとペダルを強く踏み込んだ瞬間、この500gの差は単純な重さとしてではなく、回転する物体を加速させるために必要なエネルギーの差として現れます。回転運動に抵抗する慣性モーメントの差が、ライダーの脚に重さとなってのしかかるんです。この時、ホイールの外周部、つまりリムやタイヤの軽さが特に重要になります。なぜなら、回転半径が大きいほど遠心力は増大するからです。
つまり、ホイールの外周部が500g軽くなると、加速に必要な力が劇的に少なくなります。特に、ヒルクライムでは、この差が積もりに積もって、ライダーの疲労感に大きな差を生み出します。フレームの1kgを削るよりも、ホイールの外周部の100gを削る方が、体感できる軽さのインパクトははるかに大きいと言えるでしょう。
最高のホイールを選ぶためのヒント
では、具体的にどんなホイールを選べば良いのでしょうか?「軽いから良い」という単純な話ではありません。僕が考える、クロモリ自転車と相性の良いホイール選びのポイントは以下の3つです。
1. 剛性と軽さのバランス
軽すぎるホイールは、剛性が不足しがちです。特にクロモリフレームは、しなやかな特性を持つため、ホイールが柔らかすぎるとフレームのしなりに負けてしまい、走りが安定しないことがあります。
そこで重要なのが、剛性と軽さのバランスです。リムの素材やスポークの本数、ハブの構造など、ホイール全体で剛性を確保しつつ、軽量化を図ったモデルを選ぶのがおすすめです。
2. メンテナンス性の高さ
ホイールは常に外気に晒され、汚れやすいパーツです。だからこそ、メンテナンス性の高さは非常に重要です。ハブのベアリングを自分で分解してグリスアップできるものや、スポークが交換しやすい手組みホイールなどがおすすめです。
僕の愛車も手組みホイールを履かせています。自分でパーツを一つずつ選んで組むのは大変ですが、その分、ホイールへの愛着が格段に深まります。そして、何よりメンテナンスがしやすいので、長く愛用することができます。
3. デザインとルックス
クロモリフレームの自転車は、その美しいシルエットも魅力の一つです。だからこそ、ホイールもフレームのルックスと調和するデザインのものを選びたいですよね。
例えば、クラシックな雰囲気を追求するなら、リムハイトの低いシルバーリムのホイールがおすすめです。一方で、モダンな雰囲気にしたいなら、リムハイトの高いブラックリムのホイールも良いでしょう。
おすすめホイールと周辺パーツ
最後に、僕が考えるクロモリ自転車におすすめのホイールと、その最高の相棒となるパーツをご紹介します。
ホイール
- TOKEN C22A TOKENのC22Aは、シルバーの輝きが美しいアルミホイールです。22mmハイトのアルミリムとArsenal Qハブの組み合わせで、高いコストパフォーマンスを実現しています。カンパニョーロで組み上げられたバイクにもよく似合うシルバーカラーもラインナップされており、重量は前後セットで1,384gと超軽量で、ホイールとしては手を出しやすい価格なのも大きな魅力です。
- H Plus Son Archetype クラシックな箱リムの形状でありながら、チューブレスにも対応する現代的な機能性を持ちます。25mmハイトのセミエアロ形状は、ロードからグラベルまで対応可能な万能型です。高い精度と剛性、しなやかさのバランスが良く、クロモリフレームとの相性も抜群と評判です。
- Chris King Hubs その美しさと耐久性は、もはや伝説です。独自のベアリングシステムと、美しいアルマイトカラーは、あなたのバイクを特別な一台へと昇華させてくれます。特許を取得したRingDriveシステムは72の噛み合わせ点を持ち、素早いパワー伝達と独特な「怒ったハチ」のようなサウンドを生み出します。
- White Industries Hubs クリスキングと並び、多くのカスタムバイクで愛用されています。こちらも金属の塊から削り出された美しいハブで、独特のラチェット音も魅力です。軽量でありながら頑丈に作られており、ヘビーライダーでも安心して使用できる高い品質を持っています。
タイヤ
- Panaracer GravelKing SS 前回の記事でも紹介しましたが、このタイヤは舗装路での軽快な走りと、グラベルでのグリップ力を両立させてくれます。センターは滑らかなダイヤモンドパターンで、サイドにはよりアグレッシブなラグパターンを配置することで、高速巡航性とコーナリングの安定性を両立させています。
- Teravail Rampart こちらもグラベルタイヤですが、特にサイドウォールのカラーが豊富なので、デザインにこだわりたい人におすすめです。センターは滑らかで転がりが速く、サイドのサイプ(細い溝)が路面へのトラクションを高めます。
まとめ:あなたの自転車の「翼」を育てよう
いかがでしたでしょうか?
今回の記事では、クロモリフレームの自転車を組む上で、唯一、重量にこだわるべきパーツはホイールであることを深く掘り下げてきました。僕がサドルやフレーム、ドライブトレインの重さをそこまで気にしないのは、それらが走りにもたらす影響が、ホイールの回転重量がもたらす影響に比べれば、比較にならないほど小さいからです。
ホイールの重さは、加速時や登坂時、そしてスピード維持にダイレクトに影響します。だからこそ、クロモリのしなやかなフレームの良さを最大限に引き出すためには、この「バネ下重量」をいかにスマートに選択するかが鍵となります。
しかし、これは決して「軽ければ軽いほど良い」という単純な話ではありません。大切なのは、あなたの乗り方、あなたの自転車の用途に合わせた**「剛性と軽さのバランス」、そして何よりも、あなたの愛車に調和する「美しさ」**です。
ホイールは、あなたの走りの質を劇的に変え、自転車の可能性を無限に広げてくれます。それは、まるで自転車に新しい命を吹き込むようなもの。
ぜひ、このホイール選びの過程を楽しみ、最高の相棒を育てていってほしいと思います。
皆さんの自転車に、どんなホイールを履かせていますか?ぜひ、あなたのこだわりのカスタムをコメントで教えてくださいね。
それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!
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