Brother CyclesのStromaに見る全天候型オールロードクロモリバイクの走りの良さ
こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。
自転車に乗っていると、どうしても避けられないのが天候の変化や路面のコンディションです。青空のもとを気持ちよく走り出したはずなのに、途中で急な雨に降られたり、目的地へ向かうルートの途中でアスファルトがひび割れ、荒れた舗装路や砂利混じりの道が現れたりすることは日常茶飯事と言えます。そんなとき、どんな路面や天候であっても一切の躊躇なく突き進むことができる自転車があれば、僕たちのライディングの自由度はどこまでも広がっていきます。
今回深掘りするのは、イギリス・ロンドン発の独立系ブランド「Brother Cycles(ブラザーサイクルズ)」が手掛けるオールロードフレーム「Stroma(ストロマ)」です。伝統的なスチールフレームの美しさを漂わせながら、現代的なオールロードの走破性と全天候対応力を備えたこのモデルには、クロモリバイクの新しい可能性と走りの良さが凝縮されています。デザイナーとしての視点と、一人のクロモリ好きとしての実感を交えながら、その真価を徹底的に解剖していきます。
英国発の独立系ブランドBrother CyclesとStromaの誕生背景
Brother Cyclesは、ウィルとジェームズというブラザー兄弟によって設立されたイギリスのフレームブランドです。彼らのモノづくりにおける根底には、単なるスピードやスペックの追及ではなく、「頑丈で信頼でき、乗るたびに愛着が湧くような道具を作りたい」という明確な哲学が存在しています。バイクパッキングやグラベルカルチャーにいち早く注目し、海外の信頼あるサイクリングメディアでも度々取り上げられる彼らのプロダクトは、世界中のリアルなサイクリストたちから絶大な支持を集めています。
イギリスのライディング環境は、日本のサイクリストにとっても非常に共感できる過酷さを持っています。年間を通じて雨が多く、路面は濡れて滑りやすくなり、田園地帯の細い舗装路には泥や小石が散乱しています。そうした気候風土の中で「1年を通してどんな日でも快適に、そしてスピーディーに走れるロードバイク」として開発されたのがStromaです。
この「Stroma」というネーミングは、スコットランド北東の沖合に実在する無人島「Stroma島」に由来しています。厳しい北海の強い風雨と荒波に晒され続ける過酷な自然環境と、それに耐えうる力強さ、そしてどこか静けさを湛えた美しさを表現したネーミングです。Brother Cyclesは、このフレームに単なる軽量なオンロードバイク以上のタフネスと冒険心を吹き込んでいます。
Reynolds 725熱処理クロモリパイプがもたらす走りのレスポンス
Stromaのフレーム素材には、イギリスの伝統あるパイプメーカーであるReynolds(レイノルズ)社の「725」熱処理クロモリ鋼が採用されています。クロモリ好きなら誰しもが反応するこのパイプ材は、一般的な4130クロモリ鋼に熱処理(Heat Treatment)を施すことで、引張強度と降伏強度を大幅に引き上げたハイエンドな金属管材です。
熱処理によって鋼材自体の強度が向上すると、同じ強度を維持しながらパイプの肉厚を極限まで薄く加工することが可能になります。これにより、金属フレームでありながら無駄な重量を削ぎ落とし、ペダルを踏み込んだ瞬間にダイレクトに推進力へと変換される優れたレスポンスを生み出します。
クロモリ特有の打消し効果としなりは残しつつも、踏み込みに対する立ち上がりの鋭さはまさに絶品です。ペダリングのトルクをかけた瞬間にフレーム中央部が適度にしなり、その反発力を利用して車体が前に押し出される感覚は、アルミやカーボンの高剛性フレームとは一線を画す快感をもたらします。長時間のライディングでも脚へのダメージが残りにくく、乗り手に優しいしなやかさと、スポーツ走行に必要な芯のある硬さが見事に同居しています。
現代的なオールロード規格を網羅したフレーム構造とディテール
Stromaが単なるクラシックな復刻車ではない理由は、その足回破りとヘッド周りの規格に現代の最先端テクノロジーが惜しみなく導入されている点にあります。フレームのグラフィックやシルエットは細身でエレガントですが、各部の構造は非常に現代的で堅牢です。
フロントフォークには、Stroma専用に作られたテーパードフルカーボンフォークが標準装備されています。ステアリングコラムはトップ1-1/8インチからボトム1.5インチへと太くなるテーパード規格を採用しており、これに合わせるようにヘッドチューブ下部も大径化されています。これにより、ダンシング時のフロント周りのねじれが劇的に抑えられ、ハイスピードでのコーナーリングや下り坂でも狙ったラインを一切外さない正確なハンドリングを実現しています。
さらに、ハブの固定方式には前後ともにスルーアクスル(フロント12×100mm、リア12×142mm)を採用しています。従来のクイックリリースに比べてエンド周りの接合剛性が格段に高まるため、フレーム全体の一体感が向上します。ブレーキ規格には最新のフラットマウントディスクブレーキを採用し、すっきりとした美しいビジュアルと、雨天時でも変わらない強力でコントロール性に優れた制動力を手に入れています。
700×35cクリアランスと泥除けマウントがもたらす全天候適応力
Stromaの真骨頂と言えるのが、ロードバイクとしての疾走感を損なうことなく設計された太いタイヤクリアランスとフェンダー(泥除け)マウントの存在です。ノーマル状態では最大700×35cのタイヤを呑み込むクリアランスが確保されています。
28cや30cのスリックタイヤを履かせれば、鋭い加速と伸びやかな巡航を楽しめる純粋なロードバイクとして機能します。一方で、35cのブロックタイヤやボリュームのあるエアタイヤを装着すれば、舗装路を外れたライトグラベルや荒れた旧道であっても、極上の振動吸収性と強力なグリップを発揮するタフなオールロードへと変貌します。
さらに見逃せないのが、フレームとフォークに目立たない形で配置されたアイレット(ネジ穴)の存在です。フルフェンダーを装着した場合でも、700×30c〜32c程度のタイヤを装着できる余裕が計算されています。泥除けを装備したオールロードバイクは、雨上がりの濡れた路面を走る際に水跳ねから身体とウェアを完全に守ってくれます。天候を理由に走ることを諦める必要がなくなることこそ、全天候型バイクがもたらす最大の恩恵と言えます。
実走フィーリングで読み解くStromaの軽快さと走行安定性
実際のアスファルトや荒れた路面でStromaを走らせると、その走りの質感の高さに思わず口元が緩んでしまいます。レイノルズ725のバテッドチューブがもたらす程よいウィップ感と、スルーアクスル&大径ヘッドによるガッチリとした足回破りのバランスが極めて高次元で融合しているからです。
平坦路での巡航においては、一度スピードに乗ってしまえばクロモリ特有の慣性力が働き、まるで滑るようにスムーズに車体が進んでいきます。路面の微細な振動は太めのタイヤとクロモリフレーム、そしてカーボンフォークが手分けして吸収してくれるため、手のひらや尻への不快な突き上げがほとんどありません。
また、ディスクブレーキによる安心感は絶大です。油圧ディスクブレーキを組み合わせることで、雨の日の長い下り坂であっても指先のスモールな力で確実に減速できます。濡れたリムによるブレーキ効きの低下や、砂利が噛む嫌な金属音に悩まされることもありません。どんな環境下でも自分が車体を完全にコントロールしているという確信が持てるため、ライド中の精神的な疲労が大幅に軽減されます。
全天候型オールロードクロモリという選択肢がもたらすライフスタイルの変革
デザイナーとしての視点でこのStromaを見ると、機能美とシンプルさがハイレベルで結実していることに感銘を受けます。無駄な装飾を削ぎ落とした細身のパイプラインに、現代的なディスクブレーキ周りの造形が美しく溶け込んでおり、どのようなパーツ構成で組んでも絵になる佇まいを持っています。
レースで1秒を争うための純粋なレーシングバイクは、確かに軽量で圧倒的に速いかもしれません。しかし、僕たちが日常の中で楽しむサイクリングにおいては、「雨が降りそうだから出かけるのをやめよう」とか「あの道は路面が荒れているから避けるべきだ」といった制約から解放されることの方が、はるかに贅沢で価値のある体験だと感じます。
Stromaは、平日にはタフな通勤のアシとして活躍し、週末にはラックやバッグを取り付けて100kmを超えるロングライドやバイクパッキングへと連れ出すことができる懐の深さを持っています。流行に左右されないクロモリという素材だからこそ、パーツを磨き直し、時代に合わせてアップデートしながら何年、何十年と愛着を持って乗り続けることができます。
まとめ:全天候型オールロードクロモリStromaが教えてくれる自転車の自由
今回は、Brother Cyclesの「Stroma」に見る全天候型オールロードクロモリバイクの魅力と走りの良さを徹底的に深掘りしてきました。
レイノルズ725熱処理パイプが持つ上質な乗り味と鋭いレスポンス、テーパードカーボンフォークとスルーアクスルが生み出す圧倒的なハンドリング性能、そして700×35cのクリアランスとフェンダー装着による全天候対応力。Stromaは、走る場所や天候の限界を軽やかに押し広げてくれる最高の相棒です。
もし皆さんが、天候や路面コンディションに縛られず、自分の足でどこまでも走り続けられる一生モノのバイクを探しているなら、こうした現代的な全天候型オールロードクロモリという選択肢は間違いなく最高の回答になります。
皆さんは、雨の日や荒れた路面でも走りたくなるような「信頼できる相棒」をお持ちでしょうか?ぜひコメントやSNSで、皆さんの愛車へのこだわりや行ってみたいルートなどを教えていただけると嬉しいです。
今回も最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!
ヒロヤスでした!








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