【カスタム知識】リムブレーキのタイヤインチを変更する際のブレーキシューオフセットの長さをまとめました。|クロモリ・海外自転車情報局 | Cr-Monicle(クロモニクル)

【カスタム知識】リムブレーキのタイヤインチを変更する際のブレーキシューオフセットの長さをまとめました。

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こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は僕も個人的に大好きなカスタム、クロモリフレームの自転車でタイヤインチを変えるという少しマニアックな話題についてお伝えしたいと思います。

特にリムブレーキの自転車って、タイヤサイズを変えようとすると、ブレーキシューの位置調整がかなりシビアになりますよね。特に700cや650b、26インチといったサイズは、見た目の違いだけでなく、ブレーキの調整も大きく変わってきます。今回は、それぞれのサイズ間でタイヤインチを変更する場合、ブレーキシューをどれくらいオフセットする必要があるのか、あくまで目安としての計算をしてみようと思います。

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なぜ、インチサイズを変更するのか?

まず、なぜわざわざタイヤのインチサイズを変更するのか、という点に触れておきたいと思います。単に見た目を変えるため、というのももちろんありますが、僕にとってのカスタムは、その自転車の性格をガラッと変えることでもあります。

たとえば、僕が好きなビンテージの26インチMTBを例に挙げてみましょう。これを650b(27.5インチ)にインチアップすることで、現代のトレンドであるグラベルバイクのような、よりスムーズで走破性の高い一台に生まれ変わらせることができます。段差や砂利道でも安定感が増し、街乗りからちょっとした未舗装路まで、行動範囲をぐっと広げることができます。

逆に、700cのツーリングバイクを650bにインチダウンするパターンもよく見られます。これは、より太いタイヤを履けるようにするための選択です。650bのふかふかのタイヤは、長距離の旅やバイクパッキングにおいて、信じられないほどの快適性をもたらしてくれます。

つまり、インチ変更は単なる遊びではなく、自転車に新たな命を吹き込み、自分の乗りたい場所、したい旅に最適化するための、とても意味のあるカスタマイズなんです。

700c、650b、26インチ、それぞれの違い

まずは、それぞれのタイヤサイズが持つリムの直径について確認しておきましょう。自転車の世界では、ETRTO(European Tyre and Rim Technical Organisation)という規格でリムの直径が定められています。

  • 700c(29er): ETRTO 622mm
  • 650b(27.5): ETRTO 584mm
  • 26インチ: ETRTO 559mm

この数字は、タイヤを外した状態のリムの端から端までの直径です。このリムの直径が変わるということは、当然、リムの側面を挟み込んで制動するリムブレーキのブレーキシューの位置も大きく動かさなければならないということになります。

ブレーキシューのオフセット量を計算してみよう

それでは、実際にブレーキシューをどれだけ動かす必要があるのか、ざっくりと計算してみましょう。ブレーキシューが当たるリムの面は、直径ではなく中心からリムまでの半径で考えます。つまり、ETRTOの直径の差を2で割った数値が、ブレーキシューを動かすオフセット量の目安になります。

あくまで目安です。 ブレーキの種類やフレームのジオメトリー、タイヤの太さなど、様々な要素で調整量は変わってきますが、参考として頭に入れておくと、カスタムを検討する際の大きなヒントになります。

インチ変更別 オフセット早見表

僕も色々と試す中で、頭の中がこんがらがることがありました(笑)。そんな時に役立つように、シンプルに早見表にまとめてみました。

現在のインチサイズ変更後のインチサイズブレーキシューのオフセット量調整方向
700c650b-19mm下方向
26インチ-31.5mm下方向
650b700c+19mm上方向
26インチ-12.5mm下方向
26インチ700c+31.5mm上方向
650b+12.5mm上方向

+ : ブレーキシューを上方向(リムの外周方向)に動かす : ブレーキシューを下方向(リムの中心方向)に動かす

ブレーキ本体も重要。代表的なプロダクトをピックアップ

この計算結果を見て「そんなに動かせるブレーキシューってあるの?」と思われた方もいるかもしれません。そうなんです、一般的なロードバイクのキャリパーブレーキでは、このオフセット量を吸収するのはまず不可能です。タイヤインチ変更を前提とした場合、カンチブレーキVブレーキが選択肢に入ってきます。

これらのブレーキは、ブレーキシューの取り付け位置を上下に大きく動かせるように設計されています。

V Brake

  • Paul Component Engineering Motolite: このVブレーキはカリフォルニアの工房で一つ一つ削り出される、まるで工芸品のような美しい造形が魅力的です。そして特筆すべきは、その広い調整幅。シューの位置を26インチから700cまでのホイールサイズ変更にも対応できるポテンシャルを持っています。
  • Shimano Deore XT V-Brake: マウンテンバイクの世界では定番中の定番。高い制動力と信頼性は言わずもがな。調整も簡単で、多くのバイクに採用されてきた実績が、その使いやすさを物語っています。

まとめ

今回は、リムブレーキの自転車でタイヤインチを変更する際のブレーキシューのオフセット量について、計算に基づいた目安をお伝えしました。

  • 700c ⇔ 650b:約19mmのオフセット
  • 700c ⇔ 26インチ:約31.5mmのオフセット
  • 650b ⇔ 26インチ:約12.5mmのオフセット

このように、ホイールのリム径の差がそのままブレーキシューのオフセット量に直結します。 この調整幅を確保できるブレーキは、Vブレーキやカンチブレーキといった、比較的調整幅の広いタイプになります。

僕自身、自転車のカスタムは、単に性能を追求するだけでなく、自分の理想とするスタイルや使い方に合わせて試行錯誤する過程そのものが楽しいと感じています。しかし、ブレーキは命を預けるパーツです。今回の計算はあくまで目安として、実際にカスタムを行う際は、必ず専門のショップに相談し、安全性を最優先に考えてくださいね。

皆さんの自転車への愛やカスタムのこだわり、ぜひコメントで教えてください!

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

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Designer & Cr-Mo Freeks
中の人はCrust evasion乗り。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログを解説しました。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
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