自転車うんちく系

イタリアの伝統が息づく青き鋼のフレームメーカー:GIOSクロモリの深淵を巡る旅

hrysbasics

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、多くの自転車乗り、特に細身のクロモリフレームに心惹かれる僕のような人間にとって、特別な意味を持つブランドについてお伝えしたいと思います。

その名は、「GIOS」。

鮮やかな「GIOSブルー」を纏い、街を走れば誰もが振り返る。その美しさは単なる色彩を超え、まるで一台の自転車がまとう哲学そのもののようです。なぜ、GIOSは今もなおクロモリフレームを作り続けるのか?なぜ、あの青色にはこれほどまでに多くの人が魅了されるのか?そして、その奥深い歴史の先に、どんな物語が隠されているのか。

この記事では、僕なりの視点から、他のどこのウェブサイトよりも深く、GIOSというブランドの魂に迫ってみたいと思います。

スポンサーリンク

GIOSの歴史と「あの青」が生まれた背景

GIOSの物語は、1948年、イタリアの工業都市トリノで始まります。創業者トルミーノ・ジオスは、元自転車競技選手。それもただの選手ではなく、1936年のベルリンオリンピックでイタリア代表に選ばれるほどの、一流のレーサーでした。ブランドのヘッドマークに五輪が描かれているのは、その栄光の証なんですね。

彼は自転車の設計と製造に並々ならぬ情熱を注ぎ、「レースで勝つための自転車」を追求しました。その飽くなき探求心と、イタリアブランドらしからぬ緻密な作り込みは、やがて「ドイツ的な精度」と称賛されるほどでした。

そして、GIOSの運命を決定づけたのが、1973年からフレーム供給を開始したプロチーム「ブルックリン」との出会いです。当時、チームのエースだったロジェ・デ・フラミンクが、レースで駆ったバイクの色こそが、今のGIOSを象徴するあの鮮やかな青色でした。

それまでGIOSのコーポレートカラーはオレンジだったそうですが、この青が勝利の象徴として強く記憶され、やがてGIOSの代名詞となっていったのです。今やその色は、イタリア国内でも「ジオスブルー」として広く知られるほど。この青は単なる色ではなく、勝利の歴史と、職人の魂が込められた特別な色なんですね。

なぜGIOSはクロモリにこだわり続けるのか

近年、ロードバイクの世界はカーボンやアルミが主流となり、レースの世界では軽量性と高剛性が当たり前になりました。しかし、GIOSは今も、そのラインナップに多くのクロモリフレームのモデルを置き続けています。これは一体なぜなのでしょうか?

もちろん、軽量化を追求すればカーボンフレームに軍配が上がります。しかし、GIOSが大切にしているのは、数字では測れない「乗り心地」や「美しさ」といった、自転車の本質的な魅力です。

クロモリ、つまりクロームモリブデン鋼は、独特の「しなり」を持つ素材です。このしなりが、地面からの振動を優しく吸収してくれるため、長時間乗っても疲れにくいという特性を生み出します。まるで、路面からの衝撃を和らげるサスペンションのように機能してくれるのです。

また、素材の特性上、パイプを細く美しく作ることができ、そのシルエットはクラシカルで繊細。今の僕がMTBやグラベルロードでもクロモリを好んで乗る理由と同じで、機能性だけでなく、その佇まいそのものに惹かれてしまうんですよね。GIOSは、その素材の特性を最大限に活かし、快適で優雅な走行体験と、飽きのこない美しいデザインを提供し続けているのです。これは、創業者が追求した「精度の高いフレーム」と、ライダーへの配慮が、時代を超えて受け継がれている証なのだと僕は思います。

GIOSを代表する現行のクロモリプロダクト

GIOSは、ロードバイクだけでなく、ミニベロやグラベルバイク、そしてクロスバイクなど、様々なジャンルでクロモリの魅力を発信しています。ここでは、特にGIOSの哲学が詰まったプロダクトをいくつかご紹介したいと思います。

ロードバイク FELLEO

GIOSのクロモリロードを代表する存在の一つです。コロンバス社製のクロモリチューブとカーボンフォークの組み合わせは、しなやかな乗り心地と、軽快なハンドリングを両立しています。ロングライドをゆったり楽しみたい人にとって、最高の相棒になるでしょう。

クロスバイク MISTRAL CHROMOLYとAMPIO

GIOSの顔とも言える定番クロスバイク「MISTRAL」にも、クロモリフレームを採用したMISTRAL CHROMOLYというモデルがあります。アルミモデルとは一味違う、しなやかな乗り心地と、細身でクラシカルな雰囲気が魅力です。 また、AMPIOシリーズもクロモリフレームを採用しており、よりスポーティーな走行性能を求める方には、ロードバイク並のスペックを持つAMPIO TIAGRAも選択肢に入ってきます。街乗りからサイクリングまで、優雅な走行感を楽しめます。

グラベルバイク MITO

近年のトレンドであるグラベルロードにも、GIOSはクロモリで応えています。細身のフレームにディスクブレーキを搭載し、舗装路から未舗装路まで快適に走れる懐の深さが魅力。通勤から休日のツーリングまで、幅広く活躍してくれる一台です。

ミニベロ PANTO

GIOSのミニベロ(小径車)の中でも最上位に位置付けられるのがPANTOです。コンパクトな見た目とは裏腹に、クロモリフレーム特有の乗り味と、ロードバイクに匹敵する走行性能を秘めています。街中を颯爽と駆け抜けたい人におすすめです。

まとめ

GIOSというブランドは、単なる自転車メーカーではありません。創業者トルミーノ・ジオスの情熱、プロチーム「ブルックリン」との輝かしい歴史、そしてクロモリという素材が持つ哲学を、今日までひたむきに受け継いできた、まさに「物語」を持った存在です。 時代が移り変わり、主流となる素材が変わっても、GIOSはクロモリの持つ唯一無二の魅力――しなやかな乗り心地、飽きのこない美しいシルエット、そして何よりも「自転車に乗る喜び」を、変わらずに提供し続けています。 街でGIOSブルーの自転車を見かけるたびに、僕はその背景にある、決して色褪せることのない歴史と、職人のこだわりを感じます。それは、単なる道具としての自転車を超え、乗り手のライフスタイルに深く寄り添う、特別な相棒のような存在です。

僕も、次にGIOSの自転車を見かけたら、いつもよりじっくりと眺めてしまいそうです。皆さんはGIOSについて、どんな思い出や印象をお持ちですか?ぜひコメント欄で教えてくださいね!

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

OSBN?
Hrys Basics(ひろやす)
Hrys Basics(ひろやす)
Designer & Cr-Mo Freeks
中の人はCrust evasion乗り。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れる30第半ばのクリエイター。 海外の自転車ニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログを解説しました。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
Recommend
こんな記事も読まれています!
記事URLをコピーしました