パーツ紹介

踏み心地は三者三様。三ヶ島製作所(MKS)が生んだ傑作ペダル「ラムダ」「プレッツェル」「オールウェイズ」の物語

hrysbasics

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。

僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、以前ご紹介した三ヶ島製作所の定番「シルヴァン」シリーズとは少し趣向を変えて、一度見たら忘れられない、そして一度使ったら手放せなくなる、そんな個性的なペダルたちについて、さらに深く掘り下げてお伝えしたいと思います。

今日ご紹介するのは、MKSが誇る個性派トリオ、「LAMBDA(ラムダ)」、「Pretzel(プレッツェル)」、そして「ALWAYS(オールウェイズ)」です。

巨大な踏み面から「ゲタ」とも呼ばれるラムダ。お菓子の形がチャーミングなプレッツェル。そして、本格的なオフロード走行にも応えるほどのグリップ力を持つオールウェイズ。これらは決して奇をてらっただけのペダルではありません。そこには、日本の老舗メーカーが70年以上にわたって培ってきた技術と、サイクリストの足元を真摯に見つめ続けてきたからこそ生まれた、それぞれに異なる確かな思想が宿っています。

この記事を読み終える頃には、きっとあなたもこの”三者三様”のペダルたちが持つ、奥深い世界の虜になっているはずです。

スポンサーリンク

すべてはサイクリストの「快適」のために。三ヶ島製作所の挑戦の歴史

本題に入る前に、まずは三ヶ島製作所(MKS)について少しだけおさらいさせてください。

1949年創立。現在は埼玉県所沢市に拠点を置く、日本が世界に誇るペダル専門メーカーです。競輪選手が使うNJS認定のトラック用ペダルから、僕たちが日常で使うシティサイクル用のペダルまで、その品質と信頼性は折り紙付き。すべての製品を日本国内で生産することにこだわり、熟練の職人さんたちの手によって、一つひとつ丁寧に作られています。

MKSのペダルの特徴は、何と言ってもその「回転性能」。手で回してみると、いつまでも滑らかに回り続けるあの感覚は、まさに芸術品です。この滑らかさが、僕たちのペダリングをどれだけ快適にしてくれていることか。

そんなMKSが、伝統的なペダルの形に捉われず、全く新しい「踏み心地」を追求して生み出したのが、今回主役となる3つのペダルなのです。

個性派ペダル三者三様、その魅力に迫る

「ゲタ」の愛称は伊達じゃない。オートバイから着想を得た巨大ペダル「LAMBDA(ラムダ)」

アメリカ市場からの「もっと大きくて踏みやすいフラットペダルが欲しい」という声に応え、サンフランシスコのバイクブランド「RIVENDELL BICYCLE WORKS」と共同開発されたのが、この「ラムダ」です。

ギリシャ文字の「Λ(ラムダ)」に似た独特の形状は、圧倒的な安定感を生み出します。土踏まずで踏んでも、母指球で踏んでも、足の裏全体をしっかりと受け止めてくれるこの感覚は、他のペダルでは味わえません。実は僕の親父もツーリングバイクにこのラムダを付けているのですが、「ピンがないから雨の日は滑るけどな。でも、この縦に長い形がどういうわけか足に合うんや」と、その独特な使用感を語っていました。

見て楽しい、踏んで驚く。遊び心から生まれた「Pretzel(プレッツェル)」

ラムダの次にMKSが世に送り出したユニークなペダルが、この「プレッツェル」です。

ドイツの焼き菓子をモチーフにしたデザインは、とにかくチャーミング。愛車の足元に「遊び」を加えてくれる最高のアクセントになります。かくいう僕も、レストアしたオールドMTBの足元には、このプレッツェルを合わせて遊んでいます。

しかし、これはデザインだけのペダルではありません。ベースとなった名作ペダル譲りの8本のスパイクピンと、踏み面全体が少し凹んだコンケーブ設計により、スニーカーのソールを確実に捉え、見た目からは想像できないほどのグリップ力を生み出します。「見た目の楽しさ」と「本格的な機能性」のギャップこそ、プレッツェルの真骨頂です。

いつでも、どこでも。最高の踏み心地を約束する「ALWAYS(オールウェイズ)」

そして、三部作の最後を飾るのが「オールウェイズ」。その名の通り「いつでも」最高の性能を発揮することを目指して開発された、高性能フラットペダルです。

開発の背景には、グラベルロードやアドベンチャーバイクの隆盛があります。僕もバイクパッキング仕様のツーリング車にはこのオールウェイズを付けていますが、雨の日の峠道でも足元が滑る不安が全くなく、絶大な信頼を寄せています。

オールウェイズ最大の特徴は、わずかに凹んだ「コンケーブ設計」の踏み面と、交換可能なスパイクピン。これにより、足がペダルに吸い付くような驚異的なグリップ力を実現し、いかなる状況でもライダーをサポートします。MKS伝家の宝刀であるトリプルシールドベアリングによる回転性能も健在で、まさに究極の万能ペダルと呼ぶにふさわしい仕上がりです。

あなたの愛車にはどれが似合う?カスタムのヒント

LAMBDA(ラムダ)が似合うバイク 無骨で実用的な雰囲気を重視するカスタムに。

  • SURLYのようなアドベンチャーバイク: バイクパッキングなどの旅仕様カスタムには最高の相棒です。
  • 実用的なコミューターバイク: 革靴でも気兼ねなく乗れるラムダは、働く大人のためのペダルです。

Pretzel(プレッツェル)が似合うバイク 自転車全体のコーディネートや、遊び心を表現したいカスタムに。

  • BROMPTONのようなミニベロ: 洗練されたバイクに、チャーミングな形が絶妙なアクセントになります。
  • クラシカルなランドナーやオールドMTB: 優雅なフレームワークに、少しレトロな雰囲気がマッチします。

ALWAYS(オールウェイズ)が似合うバイク グリップ力と走行性能を妥協したくない、本気のカスタムに。

  • グラベルロード、シクロクロス: 泥道や荒れた路面でも、足元を確実にホールドしてくれます。
  • 最新のクロモリMTB: 高い剛性を持つフレームの性能を、余すことなく路面に伝えます。
  • 全天候型ツーリング車: 雨の日でも滑らないという安心感は、日々のライドをより安全で快適なものに変えてくれます。

【Tips】自転車ライフが劇的に変わる? MKS独自の着脱機構「Ezy Superior」とは

さて、上で紹介したペダルたちの多くに、「Ezy Superior(イージー スーペリア)」という機構を備えたモデルが存在します。これが、僕たちの自転車ライフを想像以上に豊かにしてくれる、本当に素晴らしいシステムなんです。

簡単に言うと、「工具を一切使わずに、手でワンタッチでペダルの着脱ができる」MKS独自の機構のこと。クランク側に専用のアダプターを取り付けておけば、あとは手でストッパーを回して引き抜くだけで、本当に数秒でペダルが外せてしまいます。

じゃあ、ペダルが簡単に外せると何が良いのか?

  • 輪行・車載が驚くほど楽に: 電車や車に自転車を積むとき、一番出っ張って邪魔になるのがペダルです。これを外すだけで、輪行袋への収納がスムーズになり、車内のスペースも有効活用できます。
  • 省スペース保管: 自宅の玄関や室内に保管する際、ペダルがないだけで壁に寄せやすくなり、かなりスリムになります。
  • 究極の盗難防止: ペダルを外して持ち歩けば、自転車を乗り去られる心配がほぼなくなります。短時間の駐輪でも安心感が全く違いますよ。
  • メンテナンス性の向上: クランク周りを掃除したり、メンテナンスしたりする時に、ペダルがないだけで作業が格段にしやすくなります。

まさに日本のモノづくりの知恵が詰まった、痒い所に手が届く機能。もしあなたが輪行や室内保管、盗難対策に関心があるなら、この「Ezy Superior」モデルを選ばない手はない、と僕は思います。

まとめ

今回は、三ヶ島製作所が生み出した個性派ペダル、「ラムダ」「プレッツェル」「オールウェイズ」について、僕や家族の体験も交えながら、その魅力をお伝えしてきました。

この三つのペダルに共通しているのは、単に「踏む」という機能だけでなく、サイクリストの「体験」そのものを豊かにしようというMKSの強い意志です。

「どんな靴でも快適に」という懐の深さを持つラムダ。 「自転車との付き合いをもっと楽しく」という遊び心を形にしたプレッツェル。 「どんな状況でも最高の性能を」という信頼性で応えるオールウェイズ

それぞれのアプローチは異なりますが、その根底には、サイクリストへの深い愛情と、メイド・イン・ジャパンの誇りが流れています。そして、「Ezy Superior」という機構は、そんな彼らの思想をさらに高いレベルへと引き上げる素晴らしい発明です。

あなたの愛車とライディングスタイルには、どのペダルが一番しっくりくるでしょうか?ぜひ、次のカスタムの候補に加えて、その素晴らしい踏み心地を体感してみてください。ペダル一つで、あなたの自転車の世界は、間違いなくもっと広く、もっと楽しくなるはずです。

あなたのペダル選びのこだわりや、この3つのペダルの使用感など、ぜひコメントで教えてくださいね。

それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!

スポンサーリンク

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Cr-Monicle l クロモリ自転車BLOG
Hrys Basics(ひろやす)
Hrys Basics(ひろやす)
Designer & Cr-Mo Freeks
中の人はCrust evasion乗り。最近古いMuddyFOXも仲間入りしました。クロモリ自転車とデザイン・作品制作に明け暮れるアラフォーのクリエイター。 自転車のあれこれやニュースやいろいろなフレーム・パーツがとても気になり、あれこれ見て調べてってやるならそれをまとめて見よう、ということでこのブログにして行ってます。 飽き性が出ないよう根気よく続けていこうと思います。
スポンサーリンク
記事URLをコピーしました