シングルスピード化の最終兵器!どんな自転車もシングル化できる魔法のハブ:White Industries エキセントリックハブを徹底紹介!

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。
僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は、僕が個人的に「いつかは手に入れたい」と憧れを抱き続けている、ある特別なパーツについて、他のどの記事よりも深く、その魅力を掘り下げていきたいと思います。
その名は、ホワイトインダストリーズ(White Industries)のエキセントリックハブ。
ホワイトインダストリーズというブランドは、その美しい削り出しと、妥協のないものづくりへの姿勢で、世界中のサイクリストたちから熱狂的な支持を集めています。その中でも、特にユニークな存在感を放つこのエキセントリックハブが、なぜこれほどまでに多くの人々に愛され、そしてリスペクトされているのか。その秘密を、ブランドの歴史から紐解き、製品の細部にまで迫っていきます。
さあ、僕と一緒に、自転車パーツの奥深い世界へと旅に出かけましょう。
White Industriesのバックストーリーと哲学
創業のバックストーリー:不満から生まれた最高の道具
ホワイトインダストリーズの歴史は、1978年に創業者であるマット・ホワイトヘッドが、市販の自転車パーツに満足できず、自らの手でより良いものを作ろうと決意したことから始まります。彼はもともと、レーシングカーや医療機器の精密部品の製造に携わるエンジニアでした。そこで培われた高度な金属加工技術と素材への深い理解を、自転車パーツへと応用していったのです。
彼らが目指したのは、単なる消費財ではなく、修理しながら何十年も使い続けられる、「一生ものの道具を作ること」。この真摯な姿勢が、ブランドの根幹を形成しています。
日本にやってきたホワイトインダストリーズ:愛され続ける理由
ホワイトインダストリーズが日本で知られるようになったのは、2000年代初頭から中盤にかけての、カスタムバイクカルチャーが盛り上がり始めた時期です。ピストバイクやツーリングバイクの愛好家たちが、彼らのプロダクトの持つ独特の魅力にいち早く気づき、日本へと輸入し始めました。
日本人が持つ「職人技」や「道具への美意識」と、ホワイトインダストリーズの「一生使えるプロダクトを作る」という哲学が深く共鳴したため、彼らのパーツは瞬く間に日本のサイクリストたちに受け入れられました。
エキセントリックハブ、その知られざる機能と魅力
1. エキセントリックハブとは?
エキセントリックハブは、一言で言えば「チェーンの張りを調整できるシングルスピード用ハブ」です。通常、シングルスピードバイクのチェーン調整は、フレームのリアエンドを前後に動かすことで行います。しかし、エキセントリックハブは、ハブ軸がハブ本体の中心からズレた位置にあり、軸受けを回転させることで、チェーンの張りを調整できる画期的な仕組みを持っています。
2. エキセントリックハブの仕組み
ハブの内部には、ハブ軸を保持する「偏心したブッシュ」が組み込まれています。このブッシュを回転させると、ハブ軸の位置が中心から外れた位置に移動します。この動きを利用して、チェーンの張りを微妙に調整することができます。
これにより、一般的なロードバイクフレームの、ホイールを前後に動かせない**「正爪エンド」**であっても、チェーンテンショナーという余計なパーツを使うことなく、シンプルで美しいルックスを保ったままシングルスピード化できるのです。
3. エキセントリックハブがもたらすメリット
このユニークな構造が、僕たちのライドに、計り知れないメリットをもたらしてくれます。
- 究極のシンプルさ: チェーンテンショナーのような複雑なパーツが不要になるため、バイクのリア周りが驚くほどスッキリします。このミニマルな美しさは、デザイナーである僕にとって、何よりも魅力的なポイントです。
- メンテナンスからの解放: ギアやディレイラーがないシングルスピードは、もともとメンテナンスが楽ですが、エキセントリックハブのおかげで、さらにチェーンの張り調整が容易になります。
- 剛性の向上: ホイールを前後に動かす必要がないため、クイックリリースやスルーアクスルといった現代的な固定方式で、ホイールをしっかりと固定できます。これにより、ペダリング時の剛性が向上し、よりダイレクトな走りを実現します。
エキセントリックハブの魅力:White Industries独自の哲学
1. White Industries独自の「美しい切削痕」
ホワイトインダストリーズのプロダクトは、その美しい切削加工が特徴です。金属の塊を彫刻したかのような、洗練されたデザインは、他のブランドにはない独特の存在感を放ちます。
2. 驚くほどの「滑らかさ」と「耐久性」
彼らが自社で製造するベアリングは、驚くほど滑らかで、ほとんど抵抗を感じさせません。この滑らかな回転性能は、ペダリングの軽さに直結し、ライダーの疲労を軽減してくれます。
また、すべてのパーツがメンテナンスを前提に設計されているため、グリスアップをすれば何十年も使い続けることができます。
3. 様々なエンド幅、固定ギアやフリーギアが使える幅広いラインナップ
ホワイトインダストリーズのエキセントリックハブの魅力は、そのユニークな機能性だけではありません。多様なフレームや用途に対応するために、豊富なラインナップが用意されています。
- エンド幅のバリエーション:
- 一般的なロードバイクのリアエンド幅である130mm
- マウンテンバイクやグラベルロードで主流の135mm(クイックリリース)
- そして、より新しい規格である142mm(スルーアクスル) など、様々なエンド幅に対応したモデルが展開されています。これにより、古いフレームから最新のフレームまで、幅広い車種にこのエキセントリックハブを組み込むことができます。
- 固定ギアとフリーギアに対応:
- DOS Eno: フリーギアと固定ギアの両方を取り付けられる、ユニークな両切りハブです。これにより、用途や気分に合わせてギアを簡単に切り替えることができます。
- ENO Eccentric: シンプルな片切りのハブで、フリーギアのみに対応しています。最もシンプルで軽量なモデルです。
- Fixed/Free Eccentric: 固定ギアとフリーギアの両方に対応した、いわゆる「フリップフロップ」ハブです。
どのような人におすすめ?ヒロヤスが考える最適な使い方
1. ロードバイクのシングルスピード化
ロードバイクのフレームは、通常、リアエンドが「正爪」のため、シングルスピード化にはチェーンテンショナーが必要です。しかし、このエキセントリックハブを使えば、テンショナーなしで、美しくシングルスピード化できます。街乗りや通勤を、よりシンプルに、より軽快に楽しみたい人におすすめです。
2. 街乗り・通勤バイクのカスタム
美しく、そしてメンテナンスが楽なシングルスピードは、毎日の通勤に最適です。雨の日も、風の日も、ディレイラーの調整やチェーン落ちの心配をすることなく、安心して走れます。
3. クラシックなクロモリフレームのカスタム
クラシックなクロモリフレームと、ホワイトインダストリーズの研ぎ澄まされた金属の輝きは、最高の組み合わせです。美しい切削痕と、クロモリフレームの細身のシルエットが、バイク全体の雰囲気をぐっと引き上げてくれます。
まとめ:エキセントリックハブが、あなたの自転車を「作品」にする
いかがでしたでしょうか?
ホワイトインダストリーズのエキセントリックハブは、単なるパーツではありません。それは、創業者マット・ホワイトヘッドが抱いた、自転車に対する熱い情熱と、仲間たちとの楽しげなものづくりの物語が詰まった「作品」です。
僕の愛車も、このホワイトインダストリーズのパーツで組んでいますが、その滑らかな回転性能と、金属が放つ独特の存在感は、乗るたびに僕の心を高揚させてくれます。
最高の自転車は、誰かにとっての最高ではなく、あなたにとっての最高であるべきです。ホワイトインダストリーズのパーツを選ぶことは、その「最高の愛車」を作るための、最高の選択肢の一つだと僕は信じています。
ぜひ、このエキセントリックハブがもたらす新しい世界を、あなたの自転車で体験してみてください!
それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!