ブレーキの効きが不安なロングアーチ。強いモデルや、制動力をアップする方法をお伝えします。

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。僕のブログをいつも読んでくださっている皆さん、本当にありがとうございます。さて、今回は僕自身の個人的な経験から、ロングアーチのキャリパーブレーキについてお伝えしたいと思います。
実は僕、少し前までMasiのスペシャーレコミューターで通勤していた時期があったんです。あのクラシックな佇まい、ホリゾンタルフレームに細身のクロモリパイプが本当に美しくて、一目惚れして購入しました。通勤のたびに「ああ、いいバイクだなぁ」と見惚れてしまうほど、心から気に入っていました。
でも、正直に言うと、一つだけ大きな悩みがあったんです。それが**「ブレーキの効き」**でした。街中を走っていると、不意に飛び出してくる歩行者や、信号の変わり目に急ブレーキをかけなければならない場面に何度も遭遇します。そんな時、レバーを握りこんでもなかなか制動力が上がらず、ヒヤリとすることが増えてしまったんです。このままでは愛車を楽しむどころか、危険な目に遭ってしまうと、悩んだ末に泣く泣く通勤バイクを替える決心をしました。
そして、僕が次に選んだのが、チネリのTutto Plusでした。Masiとは全く異なるモダンなデザインも魅力でしたが、何より心強かったのが、Vブレーキに対応しているという点でした。Vブレーキの圧倒的な制動力は、僕が通勤に求めていた安全性を満たしてくれました。Tutto Plusにももちろん満足しているのですが、それでもふと、Masiのクラシックなスタイルが恋しくなる瞬間があります。あの美しいバイクに、もう一度安心して乗れたら……。そんな思いから、ロングアーチのキャリパーブレーキで制動力の高いものはないかと、僕自身も探求の旅に出かけてみた、というわけなんです。
なぜロングアーチのキャリパーブレーキは効きにくいのか
まず、なぜロングアーチのキャリパーブレーキは制動力が弱いと言われることが多いのか、その構造から少しお話ししたいと思います。
一般的に、ロードバイクに使われるショートアーチのキャリパーブレーキは、アーチが短く剛性が高いので、レバーを握った力が効率よくリムに伝わります。しかし、ロングアーチのキャリパーブレーキは、太いタイヤやマッドガード(泥よけ)を装着するために、アーチが長く設計されています。
このアーチが長い構造が、剛性の低下を招き、ブレーキレバーを握った力が逃げやすくなってしまうんです。その結果、同じ力でレバーを握っても、リムに伝わる力が弱くなってしまい、制動力が不足しているように感じてしまうわけです。もちろん、これは昔の話で、最近の製品はかなり改善されていますが、それでもショートアーチのモデルには剛性で劣ってしまうのは構造上の弱点といえるでしょう。
制動力を向上させるためのポイント
では、ロングアーチのブレーキで制動力を向上させるにはどうすれば良いか。いくつかのポイントがあります。
1. シュー(ブレーキシュー)の交換
これが最も手軽で効果的な方法です。ブレーキ本体は同じでも、シューの素材や形状によって制動力は劇的に変わります。純正のシューから、シマノやスイスストップ、Kool-Stop(クールストップ)などの高性能なものに交換するだけで、違いを体感できるはずです。特に、ウェットな路面での制動力も向上するので、雨の日でも安心して乗ることができます。
僕はよくVブレーキのシューを使ったりもしますよ!
2. ブレーキレバーの交換
ブレーキレバーの剛性も重要です。古いモデルのレバーは、握った時にレバー自体がしなってしまい、力が逃げてしまうことがあります。最近のモデルは剛性が高くなっているので、レバーを交換するだけでも制動力の向上が見込めます。
3. ブレーキケーブルの見直し
ケーブルやアウターのフリクション(摩擦)も、制動力に大きく影響します。ケーブルが古くなっていたり、アウターの内部が錆びていたりすると、レバーを握った力が効率よく伝わりません。定期的なメンテナンスと交換が大切です。
定番のロングアーチブレーキ:代表的なプロダクト
最後に、これらのポイントを踏まえた上で、制動力の高さで定評のあるロングアーチのキャリパーブレーキをいくつか紹介します。
Velo Orange Grand Cru Long Reach Brakeset
僕がこの探求の旅で見つけたのが、アメリカのブランド、Velo Orangeの**「Grand Cru Long Reach Brakeset」**です。このブレーキは、ブランドの哲学である「もっと快適に、気楽に自転車を楽しむ」を体現したような製品で、クラシカルなルックスながら驚くほどの剛性を誇ります。
公式の情報によると、その剛性は他のロングアーチブレーキはもちろん、多くのショートアーチブレーキをも上回るほどだとか。実際に使っている人のレビューでも、そのカッチリとしたタッチと高い制動力は高く評価されています。高品質なブレーキシューも付属しているので、交換するだけでその違いを体感できるでしょう。
Velo Orangeは、消えてしまったクラシカルなパーツを現代の技術でリファインしているブランドなので、Masiのようなバイクに合わせても全く違和感がありません。デザインにこだわる僕のような人間には、まさに理想的な選択肢だと感じています。
Paul Component Racer M
もう一つ、ぜひチェックしてほしいのが、アメリカのPaul Component Engineeringが手がける**「Racer M」**です。メカニカルな美しさが際立つ削り出しのボディは、まさにデザイナーの心をくすぐります。
このブレーキは、Vブレーキのように高いアーチの剛性を持ちつつ、センタープルブレーキのようなルックスをしています。非常に高い制動力と、繊細なコントロール性を両立させていることで知られています。価格は張りますが、その性能と唯一無二のデザインは、一度手に入れたら手放せなくなるほどの魅力を持っています。
まとめ
Masiのスペシャーレコミューターのようなクラシカルなバイクが持つ魅力は、最新の機能性とはまた違った、所有する喜びや街に溶け込むような美しさにあります。僕自身、Tutto Plusに乗り換えて制動力の安心感を得た今でも、あの美しいクロモリフレームのMasiに、もう一度心置きなく乗りたいという気持ちは消えません。
今回の記事では、ロングアーチのキャリパーブレーキの弱点を克服し、安全性を高めるための具体的な方法や、僕自身が探求して見つけたこだわりのプロダクトを紹介しました。ブレーキシューの交換だけでも体感できるほどの効果がありますし、Velo OrangeやPaul Componentのようなブランドのブレーキは、性能だけでなく、Masiのようなバイクが持つ世界観をさらに高めてくれるはずです。
自転車は、単なる移動手段ではありません。そこに愛着や物語が加わることで、日々の生活を豊かにしてくれる存在です。皆さんの愛車も、ほんの少しの工夫で、より安全に、そしてもっと楽しくなるはずです。
もしこの記事が、皆さんの愛車をカスタムするきっかけになったり、新たな発見をもたらしたりしたら、これ以上の喜びはありません。
それでは、また次の記事で会いましょう!ヒロヤスでした!
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