「ウルトラロマンスって、結局誰?」 謎多きサイクリング界の革命家を紐解く

こんにちは、ヒロヤスです。大阪の街を今日も自転車で駆け抜けているアラフォー、デザイナーの僕です。
前回の記事で、クロモリフレームの自転車が僕に「スピードからの解放」という新しい価値観をもたらしてくれた、という話をしました。その流れで、僕のカスタムや自転車への向き合い方に大きな影響を与えた人物がいます。
彼の名は、ウルトラロマンス(ULTRA ROMANCE)。
サイクリングカルチャーを少しでも深く知っている人なら、彼の名前やその個性的なスタイルを一度は目にしたことがあるかもしれません。しかし、「結局、彼は何者なんだ?」と、その謎多き存在に首をかしげる人も多いのではないでしょうか。
今回は、僕なりに調べた情報や、彼の発信から読み取れる人物像をまとめてみました。
1.一体、何者?その経歴と人物像
ウルトラロマンスこと、本名**ロニー・ロマンス(Ronnie Romance)**は、アメリカを拠点に活動する自転車乗りです。彼の最大の特徴は、既存の自転車の楽しみ方やスタイルに囚われない、自由奔放なライフスタイルと、それを体現する独特の自転車文化です。
彼のルーツは、元々エリートクラスのロードレーサーであり、学生時代はMTBに熱中していた、という本格的な自転車乗りでした。しかし、彼はやがて、速さや性能を追求する自転車の世界に疑問を抱き始めます。
そんな彼が影響を受けたのは、ツーリングバイクの巨匠であるGrant Petersen氏(Rivendell Bicycle Works)や、同郷のベテランフレームビルダーであるJ.P. Weigle氏の思想でした。彼らの「その土地の魅力を十分に楽しみ、敬意を払う」という理念に共感し、彼はバイクツーリングやアドベンチャーライドに傾倒していきます。
そして彼は、その魅力的な世界観をSNSを通じて発信し始め、多くの人々に影響を与え、やがて「ウルトラロマンス」という名で広く知られるようになりました。
2.ウルトラロマンスの「自転車哲学」
彼の自転車は、一見すると無骨で、時に「むちゃくちゃ」に見えるかもしれません。しかし、そこには明確な彼の哲学と、深い美意識が宿っています。
- 伝統と革新の融合: 彼は、クラシカルなツーリングバイクのスタイルを尊重しつつも、最新のパーツやテクノロジーを自由に組み合わせています。ドロップハンドルの下ハンに、本来はフラットバー用のラバーグリップを装着する、といった彼の遊び心溢れるカスタムは、多くの人々の固定観念を打ち破りました。
- 機能美への追求: 彼のバイクは、見た目だけでなく、彼の使い方に徹底的にフィットするように組まれています。大自然の中を走り、キャンプをし、時には漁をする、といった彼の冒険的なライフスタイルに最適な、タフで実用的な一台に仕上げられています。
- ルールからの解放: 「自転車にルールなんてない」という彼のメッセージは、多くの自転車乗りの心を揺さぶりました。ピチピチのジャージではなく普段着で、舗装路だけでなくグラベルやトレイルも走り、速さではなく「冒険」を楽しむ。彼のスタイルは、自転車に乗ることを、もっと自由に、もっと楽しくしていいんだ、ということを僕たちに教えてくれます。
3.ビジネスとしてのウルトラロマンス
彼は単なるサイクリストではなく、自身が主宰するブランド**「RON’S BIKES」**も手掛けています。
「RON’S BIKES」では、彼の自転車哲学を体現した、ユニークなツーリングバッグやハンドルバッグなどを製作・販売しています。キャリアを使わずにハンドルやサドルに取り付けられる大容量のバッグは、彼の提唱するアドベンチャーライドのスタイルに欠かせないアイテムです。
また、タイヤブランド**「ULTRADYNAMICO」**のプロトタイプ開発にも携わっており、その活動は多岐にわたります。
4.まとめ:謎多き存在がもたらした革命
ウルトラロマンスは、詳細なプロフィールが公になっていない、どこか浮世離れした存在です。彼の生年月日や本名以外の個人情報は、ほとんど知られていません。
しかし、その謎めいた存在感こそが、彼の最大の魅力なのかもしれません。
彼の発信する自転車文化は、速さや性能を追い求めることに疲れてしまった僕たちに、自転車の新しい楽しみ方を教えてくれました。クロモリフレームのしなやかな乗り味のように、僕たちの凝り固まった価値観を優しく解きほぐし、もっと自由に、もっと心赴くままに自転車に乗ることを許してくれた。
ウルトラロマンスは、単なるサイクリストではなく、僕たち自転車乗りの価値観を揺さぶる、**「サイクリング界の革命家」**と呼べる存在なのかもしれません。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!ヒロヤスでした!